- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県五島市
- 広報紙名 : 広報ごとう 2025年3月号
■「五島の海」
海上保安庁の図画コンクールにおいて、五島市内の児童2人が五島支部長賞を受賞しました。その表彰式で、小学生高学年の部で受賞した富江町の女子児童が「赤ちゃんが安心できる海をかきました。」と笑顔で話してくれました。その図画には、きれいな砂浜に腰を下ろし、海に向かって左手を挙げる赤ちゃんの後ろ姿が描かれていました。
私たちの美しい海を「護る」には、どうしたらいいのでしょうか。
五島市には、海流や季節風で次々と海岸に押し寄せるため、漁具やペットボトルなど繰り返し何度も回収しています。令和5年度は75か所で、延べ1,489人の方により、全部で2,892立方メートル(298トン)の漂着ゴミを回収しました。漁具やペットボトルのほか、洗剤容器、空き瓶、発泡スチロール、流木などが回収されました。回収したものは細かく砕き、一部は島外に搬出し処理しています。事業費は1億円を超えました。
環境省によると、ペットボトルは中国と韓国のものが半分以上とのことです。韓国に近い対馬市では、2023年12月に駐日米国大使、駐日韓国大使が海岸清掃活動に参加しました。
翌年には日米韓のシンポジウムが開催され、海洋環境の維持や持続可能な社会づくりの推進につながることを願う共同メッセージが採択されました。
五島市も、ふるさとの宝である美しい海の景観を護っていくため、隣国と協調していきたいと考えています。
また、国境の島である五島市には、海難救助や船舶交通の安全確保などを担う海上保安庁の出先機関である五島海上保安署があります。巡視船「ふくえ」と巡視艇「なるかぜ」は、中国語や韓国語などで停船命令を表示する装置を備えています。
さらに、海上自衛隊の護衛艦は、昨年4月から12月までに福江港に5回入港し、福江港沖に7回停泊し、警戒監視にあたっています。その折り、護衛艦「おおなみ」の艦長に「海に囲まれた国境離島を護ってください。」と直にお願いしました。
東西南北すべてを海に囲まれた五島市において、市民の皆さまへ安心をお届けするために、国や県などの関係機関と連携し、五島の海を護ってまいります。