くらし 思うこと綴ります「市長コラム」

■テーマ「プロジェッティスタ城谷耕生」
「プロジェッティスタ」という言葉をご存知でしょうか?おそらく大半の方が初めて聞いた単語だと思います。「プロジェクトを考え、それを実践する人」を指す言葉だそうです。故城谷耕生氏はデザイナーという枠に収まらない、まさにプロジェッティスタとしての人生を全うした人物でした。
私と城谷氏との出会いは1995年にさかのぼります。県立美術博物館(当時)であった作品展で、城谷氏の作品は暮らしの中にそっと馴染むたたずまいがあり、空間を生かしたデザインの巧みさが非常に印象的でした。
イタリア修行を経て、「生活をデザインする」という思想を日本に持ち込んだ第一人者。過疎地だった刈水地区では、地域をデザインする活動に取り組み、思想や人柄に共感した若いクリエーターたちが移住してきました。そんな彼の思想や創作活動は、今でも多くの人々に影響を与えています。
ながさきピース文化祭の期間中、9月14日から城谷氏の特別展を開催します。トークイベントの登壇者には、ローマ在住でデザイン、作家など多方面で活躍する多木陽介氏、オフィスキャンプ代表の坂本大祐氏など、各界の第一線で活躍されている方々が名を連ねました。もちろん小浜町に暮らすクリエーターたちも登壇します。それぞれが城谷氏の生き方に共鳴した人たちです。こうした人たちの話を通じて、城谷氏がどんな人物だったのか、どんな思いを地域に伝えたかったのか―。「プロジェッティスタ」に触れる機会にしていただければと思います。