- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県長与町
- 広報紙名 : 広報ながよ 令和7年3月号
◆パニック症について
かたやまハートケアクリニック
片山 二郎 先生
パニック症とは、突然起きる激しい動悸や発汗、頻脈や震え、過呼吸、めまいや浮動感等の身体の急激な異常と共に、このまま死んでしまうというような強い不安感が突然襲ってくる病気です。突然何の誘引もなく発作が起こることもあれば、映画館や美容室、歯医者、JRや飛行機など身動きの取れないような場所で起こることも多いです。
この病気になると最初内科を受診される方が多いですが、身体の検査をしても特に異常はみられません。結果また起きるのではないかという予期不安が強くなり、苦手な場所を避けたりして活動範囲が狭まり、日常生活に支障をきたすことが多くあります。
原因としてははっきりとしたことはまだ分かってませんが、脳内の神経伝達物質の関与が報告されております。治療としては、脳内伝達物質のバランスを整えるSSRIというお薬が有効であり、現在第一選択薬として推奨されています。その他即効性が期待される抗不安薬なども臨床の現場でよく使用されています。
パニック発作や予期不安で悩まれている方は1人で抱え込まず、早めに心療内科などでご相談いただく様、よろしくお願い申し上げます。