健康 [特集]今日からコツコツと健康な骨を育てましょう!

「骨卒中」とは、骨が弱くなったために「突然」起こる骨折を指す造語です。
特に高齢者の骨折は、日々の生活や家計に大きな影響が出てしまい、健康寿命が短くなる原因に。
骨折しないためには、日頃から丈夫な骨を作り、維持することが大切です。
そこで今月号では、全世代に取り組んでほしい「骨卒中」予防のポイントをご紹介します。

■本市の「骨折」にまつわるデータを見てみると
◇介護・介助が必要になった要因 骨折は第2位(※1)
1位 高齢による衰弱(14.7%)
2位 骨折・転倒(11.8%)
3位 視覚・聴覚障害(9.6%)

◇75歳以上の高齢者のうち年間5人に1人が骨折経験あり(※2)
骨折経験あり:1人/5人

◇75歳以上の高齢者のうち3割が骨粗しょう症あり(※2)
そのうち9割は女性

◇他にもこんなデータが…
骨折で寝たきり(要介護3)になった場合の5年間の費用(※3)
1,540万円/人

※1 令和5年3月熊本市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査(複数回答)
※2 令和5年度熊本市高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業に係る後期データ分析
※3 林泰史:MB Med Reha65:1:9.2006より。本市が集計したデータではありません。

■今日から始める!「骨卒中」予防の4つのポイント
◆ポイント1 運動で骨に刺激を与える
適度な刺激を与えることで、骨を作る細胞が活発になり、骨は強くなります。ウオーキングやジョギングなど定期的な運動習慣を持ちましょう。なかなか時間が取れない方は、何かのついでにできる運動を意識してみてください。
・目的地の1つ手前で降りて歩く
・なるべく階段を使う
・日常生活での動作を意識して大きく動く

◇おすすめの転倒予防運動
・4分の1スクワットまずは10回×1セットから
(1)両足を肩幅程度に開いて立ちます。
(2)上体を真っすぐにしたまま、「1・2・3・4」でゆっくりと膝を曲げて腰を落とし、「1・2・3・4」でゆっくり元の姿勢に戻ります。4分の1くらいの軽めの屈曲で十分です。

(レベルアップ)
手を腰に当てて、背筋を伸ばし、膝を曲げてお尻を後ろに突き出すようにゆっくりと深く腰を落としましょう。

・片足立ち1日5~10回を2セット
(1)手すりを持ちます。
(2)直立した状態から片方の足を5cmほど上げバランスをとります。バランスを崩さない時間が少しずつ長くなるように取り組みましょう。(目標1分)
(3)左右の足を替えて行います。

(レベルアップ)
安定してきたら、手は手すりに軽くつける程度、もしくは両手を腰にあてましょう。

◇特に女性と高齢者は要注意!
女性:
・10~20代
やせすぎや無理なダイエットで栄養が不足したり、運動不足で骨への負荷が少なくなると、骨量が低下し骨が弱くなります。
・40~50代
閉経に伴い女性ホルモンが減少すると、骨量も急速に低下します。

高齢者:
・いつのまにか骨折
背中が曲がった、背が縮んだ、腰が痛いなどの症状は、骨粗しょう症による背骨の骨折が原因かもしれません。
・筋力・バランス能力の低下
加齢に伴い筋肉量や柔軟性が低下すると、関節が固くなり、バランス能力が低下することで、転倒しやすくなります。

◆ポイント2 骨を強くするための食事を心がける
1日3食、主食・主菜・副菜の「バランスの良い食事」を基本に、「骨の原料となる栄養素」を積極的にとるようにしましょう。

◇カルシウム(骨の材料)
1日の摂取量の目安:
・男性…30~74歳→750mg、75歳以上→700mg
・女性…18~74歳→650mg、75歳以上→600mg
乳製品、大豆製品、小魚、海藻類など

食品例:
・牛乳…1杯/200m(l 220mg)
・ヨーグルト…100g(120mg)
・木綿豆腐…半丁/150g(140mg)
・納豆…1パック/40グラム(45mg)
・小松菜…4分の1束/95g(162mg)

◇ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
1日の摂取量の目安(18歳以上):8.5μg(マイクログラム)
きのこ類、魚など

食品例:
・干ししいたけ…2個/6g(1μg)
・きくらげ(乾燥品)…2枚/2g(1.7μg)
・サケ…1切れ/80g(25.6μg)
※食事からの摂取に加え、日光浴も効果的です。

◇ビタミンK(骨の代謝を促進)
1日の摂取量の目安(18歳以上):150μg(マイクログラム)
納豆、緑黄色野菜、海藻類など

食品例:
・納豆…1パック/40g(300μg)
・ほうれん草…4分の1束/60g(162μg)
・小松菜…4分の1束/95g(200μg)
※抗凝固剤を服用している場合、納豆は薬の効果を妨げる恐れがあるため、主治医にご相談ください。

◇ポイント3 転倒しにくい自宅の環境を作る
高齢者の転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています。
・明るい室内を心がける。
・床や階段まわりをこまめに片付ける。
・玄関や脱衣所、浴室などには滑り止めや手すりを付ける。
・高いところの荷物の出し入れは踏み台を使う。

◇ポイント4 セルフチェックで予防
骨折リスク評価ツール「FRAX(R)」を使うことで、骨粗しょう症による骨折が今後10年のうちに発生する確率を無料でセルフチェックできます(40歳以上対象)。
セルフチェックの結果が心配な方は、市ホームページ内の骨密度測定実施医療機関リストを参考に、クリニックなどに相談しましょう。

FRAX(R)、骨密度測定実施医療機関リストは、コチラから
※二次元コードは本紙をご覧ください。

問い合わせ:
ポイント1、3…国保年金課【電話】096-328-2289
ポイント2、4…健康づくり推進課【電話】096-328-2145