- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県人吉市
- 広報紙名 : 広報ひとよし 2025年7月号 No.1191
「こども食堂」は地域の子どもたちだけでなく、みんなが集える温かい食卓。この特集では、こども食堂がどんな場所なのか、主催者やスタッフなどの想いを交えながらご紹介します。友達と遊んだり、時には地域の人とおしゃべりを楽しんだり…。
こども食堂は、子どもたちの成長を地域全体で支える大切な拠点です。
■人吉市内のこども食堂
13カ所
■熊本県内のこども食堂の数
■県内の食堂数は4年で約2・3倍増
こども食堂は、八百屋を営む店主が貧困や親の多忙からご飯を満足に食べていない子どもに食事を提供したことが始まりといわれています。その後、全国で急速に広がり、令和6年度には1万カ所を超え、公立中学校数を上回る規模に。県内でも令和3年の88カ所から、令和7年(3月時点)には約2・3倍の206カ所に到達。市内にも13カ所のこども食堂があります。
■「地域の居場所」の役割へ
こども食堂は「貧困対策」としての側面から、「誰もが気軽に集える地域の居場所」へと変わりつつあります。食事提供に加えて、多世代交流、学習支援など幅広い役割を担うようになっています。一方で、運営資金やボランティア不足、支援対象者へのアプローチ不足といった課題も。これらの課題に対し、行政や企業、地域住民が一体となり、持続的な運営ができるよう、さまざまな取り組みが続けられています。
■子どもの居場所 ひだまり おしゃべり食堂
代表 松田 亜希子さん
◇こども食堂は、地域で支える「第三の居場所」
私は、子どもたちにとって安心できる「第三の居場所」、まるで「屋根のある公園」のような場所にしたいと考えています。水害後に不登校になってしまった子や、夜食用におにぎりを持って帰る子など食堂に来る子どもはさまざま。そうめんの出汁だけを飲む子や、茶碗のご飯しか食べない子など、一人一人の食の好みにも柔軟に対応することで、多様なニーズに応えられるよう努めています。
こども食堂には、地域住民の理解と協力は不可欠。一人の子どもに関わる大人が増えるほど、子どもたちにとって良い環境が育まれると信じています。例えば、地元の新聞に載ることで、「載っとったね」と地域の人から声をかけられ、それが子どもたちの自信につながる。そのように子どもたちが「社会的に認められる」という喜びを実感できる機会を増やしたいです。
災害時には食料供給拠点としての重要な役割も担っています。「こども食堂の料理なら喉を通った」という声もあり、地域共助と防災の要のような機能がある場所だと思います。子どもたちが自由に過ごし、不登校の子どもや子育てに悩む親などが気軽に相談できる場所を提供していきたいです。
■地域の縁がわ みんなの森
代表 吉田 和子さん
副代表 千原 紀子さん
◇子どもからお年寄りまでみんなが利用できて笑顔になる場所
市内には13カ所のこども食堂があります。お弁当配布や体験型の活動など、さまざま。地域の人との交流もできます。
※準備される食事には限りがあります。初めて行く場合は事前に主催者に連絡してください。開催時間や、連絡先など詳しくは、市ホームページをご覧ください。
■ニコニシ食堂
場所:ニコニシ支えあいセンター(駒井田町)
第4土曜
■みんなのこども食堂
場所:ひまわり保育園旧園舎(瓦屋町)
第2土曜
■つながる会・つなぐ食堂(こどもプレイス・つなぐ)
場所:大信寺(南泉田町)
第4日曜
■ニコニコ食堂ひとよし
場所:ミニコープ人吉(灰久保町)
第3土曜
■笑顔食堂(キッズスペース有)
場所:笑顔食堂(紺屋町)
週5日(月・火曜は定休日)
■なかよしランチ
場所:中原コミセン(下原田町)
第3日曜
■子どもの居場所ひだまり
場所:ヒトハレハウスいっとこ(上新町)
毎週水・金曜
■お弁当プロジェクト
ニコニシ支えあいセンター(駒井田町)
第2火曜
■みちくさ広場
場所:下薩摩瀬町
第2日曜、第4水曜
■地域の縁がわみんなの森
場所:樹想館敷地内(鶴田町)
第4土曜
■おしゃべり食堂
場所:
奇数月…下薩摩瀬町地域学習センター
偶数月…西瀬コミセン
第3金曜
■こども地域食堂アヴニール・キッチン
場所:アヴニール・おこばこども園(上漆田町)
第2・4土曜
■さくら無料塾子どもカフェ
場所:町中縁がわさくら(紺屋町)
毎週月曜
こども食堂では、無料または安価で食事が提供されるだけでなく、温かい交流があります。市内のこども食堂の活動の様子を写真でお届けします。
※写真は本紙をご確認ください。
■夏休みはこども食堂のイベントに行こう!
◇こども料理教室
食を通した健康づくりなどを行う人吉市食生活改善推進員と、火を使わなくてもできる料理を作ります。
市内に住む小中学生対象で、参加費は無料です。
日時:8月3日(日)
場所:東西コミセン
時間:午前10時~午後1時
定員:36人(予約制)
内容:鶏めし・みそ玉・ミルクプリン
申込方法:近くのこども食堂に連絡
申込期限:7月18日(金)
■こども食堂を支援したい人へ
こども食堂の多くは、寄付や助成金、ボランティアで運営されています。企業や団体、個人からの寄付や食材の提供などを受け付けています。
寄付をしたい場合は、市こども未来課、または近くのこども食堂にお問い合わせください。
◇主な支援方法は3つ!
・食材や日用品などを提供する
・商品券・お金を寄付する
・ボランティアスタッフとしてお手伝い
問合せ:市こども未来課子育て応援係
【電話】22-2111(内線1221)