- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県日田市
- 広報紙名 : 広報ひた 令和7年4月号
■おたがいさまの一言
「ダブルケア」。
子育てと介護の両立状態を指し、このダブルケアに直面し苦悩する「ダブルケアラー」と呼ばれる人が増えています。
ダブルケアラーが増えている理由として、真っ先に挙げられるのが、晩婚化と出産年齢の高齢化です。第一子を出産する年齢が上がったため、子育てが落ち着いてから始まっていたとされる介護が、子育てと重なるようになり、10年以上にわたりダブルケア状態が続く例もあるようです。
このダブルケアには問題とされていることがいくつかありますが、中でも大きな負担として問題視されているのが育児費用や介護費用といった「経済的な負担」、また周囲からの理解が得られないために孤立してしまう「精神的な負担」などが挙げられます。
2016年に発表された内閣府の調査によると、日本のダブルケア人口は約25万人。ただ、この調査は「育児=小学生以下」、「介護=親・祖父母(義理を含む)」と対象を限定していたため、「子育て」を高校生までと捉え、また「介護」に兄弟姉妹を加えれば、ダブルケア人口は25万人を大きく超えると推測されています。
団塊の世代の高齢化によって、国民のおよそ5人に1人が後期高齢者(75歳以上)となる2025年問題に差し掛かり、その後の2040年には、団塊ジュニア世代が高齢期を迎え、現役世代の急減が危惧されています。併せて、高齢者が高齢者のケアを担う「老老介護」、子どもが介護を担う「ヤングケアラー」、そして文中の「ダブルケア」など、ケアに関する様々な問題はすでに表面化しています。
日本社会の健全な基盤の創造のため、誰もがケアの当事者となる可能性があることを認識することが大切です。そして、「特定の人のみ」に重い負担がかかってしまうことのないよう、家族や親族との協力はもちろん、近隣の人や職場の理解を深め「おたがいさま」の関係を構築していくことが求められています。
問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)