くらし 人権コラム 心、豊かに

■行動する勇気
ハラスメント、人権侵害、差別。
このような場面に遭遇し、「何とかしてあげたい。被害側を助けたい」という気持ちはあっても身体が動かない、適切な言葉を掛けられないなど、何も出来ない自分自身を悔やんでしまったことはありませんか。

そんな経験をもとに差別の抑止力として、注目されているのが「アクティブ・バイスタンダー」。バイスタンダーとは、医療用語では応急処置や心肺蘇生といった、救助に携わった第三者のことを指しますが、ハラスメントや暴力、差別の場面では「その現場に居合わせた第三者」という意味で使われています。

このような場面で、何らかの被害を受けている(受けそうな)ときに、第三者(傍にいる人)が介入(行動)することで、事態を悪化させない(予防する)といった効果があり、アクティブ・バイスタンダーは、直訳すると「行動する第三者」となります。

アクティブ・バイスタンダーとしてできる5つの介入方法は、(1)注意をそらす(関係のない話などで、加害側の言動を邪魔する)(2)周囲に助けを求める(3)証拠を残す(写真や動画など。ただし、取り扱いには注意)(4)事案後の対応(被害側への声掛けなど、フォローやサポートを申し出る)(5)直接介入(加害側への注意、指導)があります。

ただ、状況によっては危険が伴うことがあるため、まずは自分自身の安全の確保が先決です。また、加害側の主張を支持するような「誤った行動」によって、被害側に罪悪感や無力感を生じさせ、孤立させるなど、深刻化を招かない対応を心掛けることが必要です。

差別やハラスメント、暴力は当事者だけの問題ではなく、周囲が「自分自身の問題」と捉えることで変えられることもあります。

アクティブ・バイスタンダーが増えることで、被害側が声を上げやすい社会につながることは間違いありません。
無理なくできることからやってみませんか。

問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)