くらし みらいの宮崎を創る人 フォーカス VOL.23

たかやま かん さん
小説家

『宮崎の“エッセンス”を入れて書いていきたい』

一昨年10月、小説家高山環さんが、恋愛ミステリー小説「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」(宝島社文庫)で作家デビューを果たしました。また、デビュー前には第12回ポプラ社小説新人賞で「夏のピルグリム」が奨励賞を受賞しました。「小説は中学生で書き始め、就職後も新人賞へ応募したり、電子書籍で発表したりしていました。ただ、死を感じるような事故にあってから、かねてからの夢だった小説を専業にしようと決めました」。外資系IT企業に20年以上勤め、その会社の本市カスタマーセンターのセンター長からの転身でした。「中学生のとき同級生から、自分が書いたものを面白いと言ってもらえて、それ以来書き続けています。ずっと自分が書きたいものを書いていましたが、専業になってからは読者が喜ぶような話を意識するようにしました」。それが功を奏してか、電子書籍で多くの人から「泣ける」と共感された作品で商業デビューを果たしました。高山さんの作品は、都市圏と地方両方で暮らした経験を生かしたものも多く、「宮崎で暮らしているからこそ、作品には宮崎の“エッセンス”を入れていきたいです」と意欲を燃やします。誰にも師事せず独学で書いてきた高山さん。「宮崎で小説家になりたいという夢を持つ人に、働きながら夢をかなえる術を伝えることもしたいですね」と力強く語ってくれました。

・「宮崎を舞台にして書くことで、宮崎を応援できるのではと思っていますし、ここで小説を書いている人がいると知ってほしいです」と高山さん。
・執筆中の高山さん。「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」は3月に台湾版を発刊。次回作は年内に刊行予定。

≪プロフィール≫
東京都葛飾区出身。外資系IT企業に勤め、同社の宮崎カスタマーセンター・センター長を務めていたが2019年に退職し小説を専業に。2023年10月には「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」(宝島社文庫)で商業デビュー。「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞を「夏のピルグリム」で受賞し、同社から昨年7月刊行された。