文化 歴史探訪!

■一年の豊作を祈る春日(かすが)神社の神事「牛(べぶ)どん(春田打(はるたうち))」
高木町にある春日神社で2月に行われる神事「牛どん」。このような田楽(でんがく)系の芸能神事は南九州各地の神社で行われていて、近隣では霧島神宮(霧島市)や狭野(さの)神社(高原町)の祭りで見られます。また、本市内では春日神社の牛どんをより演劇化した太郎踊が、太郎坊町と山之口町中原(なかばる)に伝わっています。
春日神社の牛どんは、社殿(しゃでん)の前に「木製の牛」を引き出し、親方と雇(やと)い人(にん)に扮(ふん)した2人が牛を相手に耕作から収穫までの様子を方言を交えながらユーモラスに演じます。終始笑いに満ち和やかに進められる本神事。途中、演者が五穀豊穣を祈る祭文(さいもん)を唱え、観衆が蒔(ま)かれた種を持ち帰るために拾ったり(自分の苗代(なわしろ)に混ぜて蒔くと豊作になるとされる)、神事の後に神前の供物を氏子らが食す「直会(なおらい)」が開かれたりするなど、古くからの信仰を感じさせる面もあります。
地元の人々によって守り継がれてきた本神事は、昭和49年に市無形民俗文化財に指定されています。

問い合わせ:文化財課
【電話】23‒9547