文化 都城市立美術館 vol.86

■「作品」
瑛九 作(1951年)

細い線による図柄の上を自由に舞う黒く太い線。大きな四角を描くこの線は、写真の印画紙にカメラを使わずに物体の光と影を写しとる「フォトグラム」の技法で生み出されています。外に向かってぼんやりと薄れていく線が、見る人に幻想的で不思議な気持ちを抱かせます。
本作の作者である瑛九(えいきゅう)(1911-1960)は、宮崎市出身の美術家。シュールレアリスムや抽象絵画などの20世紀前半に生まれた表現を吸収しつつ、写真や版画、油彩、ガラス絵などさまざまな技法に次々と挑戦し、作者独自の時空間を表現し続けました。
※本作は、6月22日(日)まで開催の収蔵作品展「語り合いたい時間」で展示中

問い合わせ:市立美術館
【電話】25-1447