しごと 【特集(Special Feature】やってみてよかった民生委員・児童委員(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県霧島市
- 広報紙名 : 広報きりしま 2025年3月上旬号
■民生委員・児童委員は地域の身近な相談相手として、必要な支援やさまざまな活動を行っています。委員の「やってみてよかった」の声と、民生委員・児童委員の現状を紹介します。
市民生委員児童委員協議会連合会 会長
本田成子さん(72)
国分出身。同連合会初の女性会長。委員になってから13種の資格を取得。コーヒーを飲むのとクラシック音楽を聞く時が至福の時間。国分在住。
私たちが住んでいる地域には「民生委員・児童委員」と呼ばれる人がいます。民生委員・児童委員の二役を同じ人が担い、特定の区域を担当します。その中には児童福祉を専門に活動する「主任児童委員」もいます。市内では現在、民生委員・児童委員、主任児童委員合わせて286人が、ボランティアとして地域を支えています。
▽あなたの身近な相談相手
少子化や核家族化などによって地域のつながりが薄れる中、高齢者や障がいのある人、子育てや介護をしている人が周囲に相談できず孤立してしまうケースが増えています。そこで、地域を見守り、地域住民から相談を受け、専門機関へのつなぎ役も担うのが民生委員・児童委員です。「私たちは住民に寄り添い、住民目線に立った身近な相談相手です。守秘義務があるので安心して相談してください」と穏やかな表情で話すのは、市民生委員児童委員協議会連合会会長の本田成子さん(72)です。「高齢者・子育てサロンの運営や自宅訪問、児童への声かけ、立哨など、活動内容は多岐にわたります。仕事をしていて活動は難しいとか、子育て、親の介護に忙しいという人もいますが、自分のペースで活動できますし、何より支援した人に喜んでもらえた時、感謝された時、課題が解決した時などは、委員としての誇りや喜びを感じます」と本田さんは力を込めます。
▽あなたも身近な相談相手に
委員の任期は3年。今年12月1日に一斉改選が行われます。「過疎化や高齢化、定年年齢の延長などで、民生委員・児童委員の担い手不足が深刻化しています。これからは仕事をしながらでも活動できるように職場の理解を求めるなど、委員の負担軽減に向けた取り組みが必要だと感じています。また、何でもしてくれる人だという誤った認識を正し、委員自体の認知度向上を図ることも大事ですね」と課題を挙げる本田さん。「活動する上で、さまざまな人との出会いや人生の学びがいっぱいあります。委員同士のつながりが強く、困った事があっても先輩委員からアドバイスをもらえ、楽しい時間もたくさんあります。ぜひ一歩を踏み出して、私たちと一緒に活動してみませんか」
[INTERVIEW]これまでの経験とこれからの学び
溝辺地区 民生委員・児童委員
三好昭子さん(69)
親が病院勤務で、私自身も看護師だったこともあり、障がいがある人たちと長年接してきました。40代の頃に仕事の経験を民生委員・児童委員に生かしてもらえないかと打診がありましたが、仕事と両立させるのは難しいと断っていました。退職後、ずっと心残りだった委員を担うことができ、新たな学びも得ながら取り組んでいます。現在もパートで介護の仕事をしていますが、理解がある職場なので助かっています。