くらし 霧島山と錦江湾の魅力再発見「霧島ジオパークの旅」vol.16

〜山で幸せ、海で幸せ〜

日本で最初の国立公園・霧島錦江湾国立公園がある霧島市。市内全域の自然や文化などは霧島ジオパークとして、日本ジオパークに認定されています。霧島山や錦江湾をはじめとする、魅力あふれるスポットを紹介します。

隼人町の町名の由来にもなった隼人塚。今回は、隼人塚史跡館の岩屋高広さんに、隼人塚と「隼人」の魅力を聞きました。

■この地は覚えている隼人塚と古代「隼人」の物語
古代この地に暮らしていた「隼人」。建立目的など、隼人塚にはいまだ謎が残っています。

▽国史跡にも指定されている隼人塚。その名前にもある「隼人」とは、7世紀から9世紀に南九州に住んでいた人々の総称で、彼らを遠く離れた異民族と見なした朝廷が付けた呼び名です。独自の文化を持ち平和に暮らしていた隼人は、支配下に収めようとする朝廷に激しく抵抗し、多くの犠牲者を出しました。
隼人塚の建立については、隼人の霊を供養するために建てられたという説や正国寺という寺の跡などの諸説があり、いまだ謎が残っています。建立時期については、発掘調査の結果、平安時代後期に建てられたと考えられています。
隼人塚の石塔は、主に火山灰と軽石からなる溶結凝灰岩という、火山が近いこの地域ならではの岩石で作られています。溶結凝灰岩は適度な強度を持ち、当時の技術でも加工しやすく、市内には他にもこの岩石を使った建造物や史跡が多く残っています。
私たちの祖先、隼人。ここ隼人塚で、彼らの物語に思いを寄せてみませんか。

《施設紹介》
▽隼人塚史跡館に行ってみませんか
国指定史跡「隼人塚」の歴史や由来を紹介するためのガイダンス施設・隼人塚史跡館。「隼人」と「隼人塚」の歴史をひもとく、ロマンあふれる施設です。

開館時間:午前9時~午後5時
休館日:月曜(祝日の場合はその翌日)、12月29日~1月3日
入館料:小中高校生/90円(70円)、大学生・一般/180円(140円)
※( )内は10人以上の団体の場合。

問合せ:隼人塚史跡館
隼人町内山田287–1
【電話】43-7110