- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県南大隅町
- 広報紙名 : 広報南大隅 令和7年2月号
■地域おこし協力隊卒業に寄せて 秋山大樹
令和6年12月末をもって地域おこし協力隊を退任された秋山大樹さん。
現在は、町内で起業されています。今後、ますますの活躍が期待されます。
◇地域おこし協力隊移住者として
このたび令和6年12月をもって地域おこし協力隊を退任し、在任中に設立した会社法人「株式会社大隅フルーツ」の代表取締役として経営に専念することになりました。地域おこし協力隊としての任期は1年8カ月と短いものでしたが、地方創生に懸ける情熱と覚悟は迷うことなく私を新たな挑戦へと駆り立てました。
特に感謝したいのは、営農指導員の岩下恭一先生の存在です。先生のもとで学んだ熱帯果樹生産技術は、生産者としての私にとってかけがえのない財産です。農業初心者であった私に対し、先生は作物の管理方法から観察の大切さに至るまで、根気強く指導してくださいました。また、町役場経済課や農業公社の皆さまにも多大なるご支援をいただき、幾度も壁にぶつかった際に頂戴した励ましの言葉が私の支えとなりました。
3人の娘たちが通う第一佐多中学校において、令和6年度PTA会長を務めさせていただいたことは、家族として地域に溶け込む大きなきっかけとなりました。小中一貫校への移行を控えた大切な年ではありましたが、保護者や先生方、地域の皆さまのご協力により無事に活動を進められ、次年度への準備を整えることができました。至らない点も多々あったかと思いますが、これからも子どもたちや地域の未来のために尽力してまいります。
・パインアップル圃場…3500本超のパインアップル、冬でも力強く成長中。来年は倍、再来年はさらに倍。圃場も業績も、どんどん加速させます。
・パッションフルーツ圃場…私たちは、まず何よりも樹を育てる企業でありたいと考えています。大きく育った樹には元気な花が咲き、やがて立派な実が結ばれるー。私たちはその未来を信じています。
◇経営者として
昨夏、信頼する経営者からの紹介を受け、農事組合法人根占生産組合が所有する花の木農場IIの施設園芸ハウスを引き継ぐという貴重な機会を得ました。新たな環境での挑戦に不安もありましたが、根占生産組合の皆さまや社会福祉法人白鳩会参与・中村隆重氏のご支援を受け、スムーズに事業をスタートできました。
中村氏からは経営の本質について多くの示唆をいただきました。地域資源を最大限に活かし、新たな価値を生み出す戦略や、理念・ビジョンの重要性を説かれるその姿勢は、私にとって理想の経営者像そのものです。氏の教えは私の道しるべであり、未来への指針となっています。
経営者として地域に貢献し未来につながる価値を創出することが私の目標です。この目標の実現は、中村氏や根占生産組合の皆さま、そして地域住民の皆さまからのご支援があってこそのものです。今後も経営についての知見を深め、「花の木農場II」に花を咲かせて、南大隅町の発展の象徴となるような場所にしていきたいと考えています。
・花の木圃場…娘たちの名前には「花」「木(樹)」「実」という文字が込められています。花が咲き、木が育ち、実を結ぶ果樹を育てることに、不思議なご縁を感じています。
◇今後に向けて
南大隅町だけではなく日本全体が抱える課題に向き合い現状を打破するためには、理念やビジョンの共有だけでなく、「実践的な行動」が必要です。企業、行政、地域住民、金融機関が一体となり、経済を動かす取り組みを進めていかなければなりません。今こそ机上の議論を超えた行動が求められていると感じます。
現在、私は朝から晩まで事業の成長に向けて奔走しています。農作業や事務処理、課題解決に追われる日々ですが、不思議と疲れを感じることはありません。それどころか、「やってできないことはない」という確信とともに力がみなぎっています。
これまで私が多くの方々からいただいた温かいご支援や励ましは、私の大きな原動力となり今の私を形作ってくれました。この恩を胸に刻みながら、次の新しい世代に対して同じように手を差し伸べ、支えとなれる存在でありたいと願っています。この南大隅町は、豊かな自然と伝統文化を守りながら発展を遂げてきました。私たちはその誇りを次世代へと繋げる使命を担っています。いただいた恩を次世代へ繋ぎ、未来に広がる大きな力を育むことこそが、私自身の使命だと感じています。
ここまで支えてくださった町役場や関係法人、金融機関、商工会、前農園主さま、そして地域住民の皆さまに改めて感謝申し上げます。
まだまだ未熟な私ですが、南大隅町のさらなる発展のため、志を共にする仲間を探しています。町で私を見かけた際には、ぜひ気軽にお声がけください。
最後に、これまで支えてくれた家族、特に妻と子どもたちに心から感謝します。
「本当にありがとう」
株式会社大隅フルーツ
代表取締役 秋山大樹
問い合わせ先:役場経済課
【電話】24-3128