くらし 【特集】令和7年度 施政方針 ―9つの基本姿勢―(1)

令和7年度の市政運営に対する基本的な考え方や主な事業について、その概要をご紹介します。施政方針の全文は、市HP(二次元コード)でご覧いただけます。
※二次元コードは本紙をご確認ください。

■受け継がれた発展を未来につなぐ
10・10空襲により壊滅的な被害を受けた那覇市。しかし、先人たちは、逆境を乗り越え、国際通りの「奇跡の1マイル」をはじめとする復興を成し遂げました。その後も、那覇新都心の開発やモノレールの開通など、時代の流れを捉え、本市の発展にご尽力いただいた先人に対し感謝と崇敬の念に堪えません。現在、民間が主導する「GW2050PROJECTS推進協議会」への参画などを通して、輝かしい未来に向け、飛躍の年となることを思い描いています。先人の思いを胸に、本市の持続的発展に向け今後も果敢に挑戦してまいります。

◇主な事業
・泊漁港等整備基本計画策定事業:71,612千円
泊漁港周辺地域一体が秘めるポテンシャルを最大限に引き出すことを目的とした「泊漁港将来像構想」の実現に向け「(仮称)泊漁港等整備基本計画」の策定に取り組みます。

・LRT導入推進検討事業:91,337千円
中心市街地、真和志地域、新都心地域を結ぶ基幹的公共交通としてのLRT導入に向けて、引き続き関係機関との合意形成に必要な調査などを行い、継続して協議を進めます。

■平和を希求する想いを世界へ
今年は沖縄戦終戦から80年の節目の年です。「なぐやけの碑」には市出身の戦没者名簿が奉納されており、恒久平和のメッセージを世界に発信し続けています。昨年は、日本原水爆被害者団体協議会が、長年にわたり核兵器廃絶を訴え続けたことが世界に認められノーベル平和賞を受賞しました。私も、苛烈な地上戦を経験した沖縄に生きる者として、戦争の悲惨な記憶を風化させてはいけないという先人たちの揺るぎない信念を受け継ぎ、争いのない世界を訴えてまいります。

◇主な事業
・日本非核宣言自治体協議会:4,775千円
本市が加盟し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現を発信することを目的として設立された「日本非核宣言自治体協議会」の総会を本市で開催します。

・戦後80年記念事業:8,206千円
平和を希求する想いをより一層強く発信していくために、既存の恒久平和のモニュメント「なぐやけ」の周囲に、戦没者の慰霊と恒久平和の発信を表記した新たな刻銘を設置します。

■備えることが安全の第一歩
近年、災害の危険性を身近に感じる出来事が続き、災害時の課題を再認識させられると同時に、災害への備えが今まで以上に求められています。本市では、避難所の整備に加え、防災講話や市民参加型の防災訓練などを通じて、防災意識の向上にも取り組んでいます。災害は、平時からの備えが重要です。市民のみなさまと一丸となり、防災・減災に向けて、安全安心なまちを構築してまいります。

◇主な事業
・下水道耐震化事業:159,500千円
大地震時に下水道施設が破損しないように管きょの更新や、マンホールと下水道管の接続部を柔軟にする管口可とう化対策などの下水道施設の耐震化を進めます。

・総合防災訓練実施事業:4,586千円
予測困難な災害に備え、防災関係機関および地域住民参加のもと、様々な手法で防災訓練を実施し、災害対応力の高いまちづくりを推進します。

■未来を育む、心温かな子育て支援
すべての子どもを守り育むことは私たちの責務です。子どもたちが貧困や虐待に苦しむことなく幸せに育ち、学び、生活する権利を守るため、「(仮称)子どもの権利条例」の制定に向けて取り組んでいきます。健やかに成長した子どもが、やがて社会を支える一員となり、より良い環境に発展させていく、子育てへの支援はその土壌となりうるものです。すべての子どもが、自分らしくのびのびと育ち、希望ある未来を描ける社会を目指してまいります。

◇主な事業
・子供の貧困緊急対策事業:195,809千円
地域の子ども食堂や学習支援などを実施する団体への運営支援を通して、子どもの居場所づくりを支援します。

・こども誰でも通園制度の本格実施を見据えた試行的事業:8,523千円
子育て支援を強化するため、利用可能枠の範囲内でライフスタイルに関わらず誰でも利用できる保育制度の創設を目指し、試行的事業を実施します。

■洗練され、輝きを放つ地域経済を目指して
観光コンテンツの造成に注力するとともに、「都市型MICE振興戦略」に掲げる地域資源の利用促進などの施策を官民連携により着実に推進します。また、企業におけるDX促進による労働生産性の向上や地域特産品の消費促進、中心市街地の賑わい創出など着実な地域経済の活性化につなげるため、積極的な経済施策を推進するとともに、独自の魅力を持つ市の特性を活かした地域経済の形成を目指します。

◇主な事業
・WBSC U-18野球ワールドカップ支援事業:54,034千円
U-18野球ワールドカップの開催に向けて関係機関と連携し、国内外より誘客を図るとともに、市内の子ども達が世界に目を向けるきっかけとなる大会となるように取り組みます。

・中心市街地商業等振興計画(仮称)策定事業:10,060千円
中心市街地においては、商業と観光の両面の振興に資する「中心市街地商業等振興計画(仮称)」の策定に向けて取り組みます。