くらし 独立行政法人那覇市立病院 ”新病院棟”10月1日開院予定!(2)

那覇市立病院は、開院から45年が経過し建物の老朽化に伴う建て替えを進めてきました。“「結い」をキーワードとした、医療と地域を結ぶ新病院”をデザインコンセプトに掲げた新病院棟は、さらに強化された機能を備えています。今号では、開院間近の新病院棟の特長などをご紹介します。

■病院概要
病院開設日:昭和55年5月1日(平成20年に地方独立行政法人に移行)
病床数:470床(一般病棟)
標榜診療科:36診療科(令和7年4月1日時点)
主な役割および機能:救急告示病院、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、紹介受診重点医療機関 他

■新病院フロアガイド(主な機能)
10F:リハビリテーション室
5~9F:病棟
4F:血液浄化療法センター
3F:手術室/ICU/HCU/日帰り手術センター
2F:救急センター/放射線検査/内視鏡センター/健診センター
1F:受付/外来/検査/外来点滴センター/入退院支援室
B1F:放射線治療

■内装をちょこっと紹介
新病院棟の床には病院のロゴに使われている「葉っぱ」をモチーフにしたデザインが施されています。また、棟内の照明は、外来などではすっきりとした自然な明るさを取り入れ、病棟の一部では温かみのある光を使用する工夫が凝らされています。

■9月14日(日)に、新病院棟内覧会を開催します。
※詳細は、那覇市立病院HPをご確認ください。

■ここが変わる!01.がん診療
市立病院は、地域がん診療連携拠点病院に指定されており、専門的ながん医療の提供、地域におけるがん診療の連携協力体制の整備、および患者さんやご家族への相談支援や情報提供などの役割を担っています。新病院棟の開院後も引き続き、手術および放射線治療、薬物療法を効果的に組み合わせた集学的治療を行い、患者さんに負担の少ない医療を目指していきます。また、リハビリテーションおよび緩和ケアを提供する体制を有するとともに、標準的治療など患者さんの状態に応じた適切な治療を提供していきます。

◇現病院との比較
手術室8室➡10室
集中治療室(ICU)10床➡12床
外来点滴センター12床➡15床
高度治療室(HCU)16床(新設)

◇新病院棟には、下の最新医療機器を導入するよ!
・手術支援ロボット「ダヴィンチ」
傷口が小さいため、患者さんへの体の負担が少なく、術後の回復が早いことが特徴です。
対象疾患:前立腺がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、肺がん、婦人科良性疾患
※今後も対象疾患を広げていく予定です。

・放射線治療装置TrueBeam医療用リニアック
医療機器承認番号22300BZX00265000
※令和8年1月稼働予定
手術が難しい場所にあり、これまで治療ができなかった腫瘍に対してピンポイントに照射することが可能になります。治療精度が向上し、治療時間や回数が短縮され、患者さんの負担を減らすことができます。
県内初の導入

■ここが変わる!02.地域周産期母子医療センター
産婦人科医および小児科医が24時間対応可能な体制を整備していきます。
分娩時の立ち会い、産後の母児同室、父親への育児指導参加、母乳育児サポート、助産師外来など、妊産婦さんと共にご家族もサポートできる体制を強化していきます。

◇現病院との比較
新生児集中治療室(NICU):6床(現状と同数)
回復治療室(GCU):6床➡12床
産科個室:2床➡11床
LDr※3床(新設)
※LDr…陣痛から産後まで移動せずに過ごせる部屋

■ここが変わる!03.スマートベッドシステム
新病院棟ではスマートベッドシステムを導入予定です。
ベッドサイド端末に専用機器をかざすことで、電子カルテへ患者さんの体温、血圧などの情報を自動で入力することができ、様々な情報を素早く的確に共有することができます。
※モニター画面にピクトグラムで飲食や歩行、リハビリ時間などの情報を掲載することで、患者さんに情報をわかりやすく伝えます。また、各種センサーを活用して、転倒転落を防いだり、患者さんの体調の急変に素早く対応することができます。

■ここが変わる!04.災害対応
新病院棟では、地震の揺れが建物に伝わりにくい「免震構造」を採用しています。また、被災後でも早期に診療機能を回復できるように病院事業継続計画(BCP)を整備しており、次年度以降には、災害時でも診療を継続できるよう、医療資源や非常食の備蓄機能を整備する予定です。
また、市立病院では災害派遣医療チーム「DMAT」が活動しており、大規模災害などの発生時には現地で支援活動を行っています。
院内での取り組みとして、急な処置も対応できるよう院内BLS研修(一次救命処置研修)を行っています。将来的には、地域災害拠点病院の指定をめざし取り組んでいます。