くらし 令和7年度 施政方針(1)

■1 はじめに
令和7年第551回北谷町議会定例会の開会にあたり、予算案をはじめ、諸議案の説明に先立ち、私の町政運営に対する所信の一端を申し述べ、町民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
昨年は、5年ぶりに特設会場を設置して「第38回シーポートちゃたんカーニバル」が開催されました。他にもちゃたんの産業祭りや町民運動会、各地区での祭りが通常通り開催されるなどコロナ禍から日常を取り戻すことのできたと実感できる一年間でありました。
11月には、本町における文化発信拠点となる町立博物館が供用開始されました。当博物館では、縄文時代から現代まで脈々と続く町の歴史・文化・自然環境を紹介しております。数千年前の北谷町の姿や文化に触れ体感することが出来きます。先人たちがどのような生活をしていたのか北谷町民をはじめ、子どもから大人まで多くの皆様に足を運んでいただき、ぜひ体感していただきたいと思っております。
私が町長に就任して4年目に入り一期目の任期の最終年次となります。就任から今日まで「継承から更なる発展!戦後100年を見据え、平和で誇りの持てる「ちゃたん」へ」を目標に掲げ、町民の皆様に約束しました公約の実現のために真摯に取り組んでまいりました。就任当初は、コロナウイルス蔓延防止の展開、コロナ禍により疲弊した町経済の復興をいち早く目指し町民、事業者への支援を行いました。
子育て支援につきましては、「子を安心して生み育てられるまちづくり」を掲げ、子ども医療費無償化の拡充ならびに学校給食費の全額公費負担、浜川放課後児童クラブの整備に全力で取り組んでまいりました。
また、町立学校の教育環境改善にむけた北谷中学校の改築、その他に基地問題や平和行政、観光及び宿泊税制度の導入に向けた取り組み、プロ野球や各種スポーツ団体のキャンプ等の支援、地域活性化や町民サービスの向上に向けた各種団体や企業との包括連携など概ね初期の目標を達成することができました。この場をかりて心より感謝申し上げます。
本年は、これまで以上にDXの推進の取組み、町民の皆様が行政サービスを受ける際の利便性の向上、職員の業務効率化を図り人的資源の有効活用を目指してまいります。また、本年は昭和55年の町政施行から45周年の節目を迎えることとなります。今日までの繁栄と平和を築き上げてきた先駆者たちの思いを受け止めながら、また我々もこれからの新時代への展開と飛躍に向け、引続き町政運営をしてまいります。本町の将来像であります「一人から始まる広がる大きな輪みんなで育む北谷町」の実現に向け、これまでの施策を継続・発展させ、町民の皆様の声をしっかりと聞き、町民と行政の協働による共生のまちづくりを推進してまいります。

■2 本町を取り巻く社会経済情勢
世の中の流れを見てみますと、4月3日には台湾で沖縄県本島にまで津波警報が発表されるほどの大地震が発生しました。また、8月には「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されるなど自然災害による大規模災害への不安が後を絶ちません。本町も例外ではなく、地震をはじめとする大規模災害への備えや強靭な町づくりがこれまで以上に必要となってまいります。
また、ロシアによる軍事侵攻の長期化、コロナ禍からの経済活動の復活、日本社会全体における少子高齢化、それに伴う人手不足などもあり、エネルギー費の高騰や物価高騰が長引いてしまっているのが現状です。本町では国の財源を活用し、水道基本料金を免除するとともに調整給付金及び物価高騰対応重点支援給付金の窓口を設け、対象となる町民の皆様に対して、迅速な対応を行ってまいりました。
沖縄県の経済情勢といたしましては、沖縄総合事務局が発表した「管内経済情勢報告(令和7年1月)」によると、物価上昇の影響はあるものの、人流の回復やインバウンドが増加していることなどから、「緩やかに回復している」としており、先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、回復していくことが期待されますが、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるとのことです。
コロナ禍を経て、沖縄県内の観光需要も堅調に推移している状況にあり、2025年においても、空港直行バスや美浜エリア周遊バス等のターミナル機能の設置を目指し、沖縄県により進められている観光2次交通結節点機能強化事業『北谷ゲートウェイ』実証事業が、美浜公共駐車場にて継続実施されます。那覇空港の混雑・渋滞緩和や将来において県内の主要観光地との結節に向けた展開など、今後の観光振興に向け本町の地理的優位性を活かし、さらなる移動利便性の向上が図れるよう沖縄県と連携しながら取り組みを進めてまいります。
令和7年度における沖縄振興予算は、2、642億円と昨年より減少し4年連続で3、000億円台を割り込んでいます。
このような状況下ではありますが国・県の制度や補助事業を積極的に活用しながら財源の確保と、その限りある財源を必要性の高い施策に重点的に投入してまいります。すべての町民のための豊かな暮らしができる北谷町を築いていく所存でございます。