くらし 地方のかがやき 鳥取県 境港市(1)

■日本有数の漁獲量を誇る港!
さかなと港と妖怪のまち

鳥取県の西端、日本海と中海に挟まれた弓浜半島の先端にある境港市。人口約3.2万人の小さなまちを一躍有名にしたのは、同市出身の漫画家・水木しげるさんの作品を活用した地域活性化の取組です。境港駅から約800m続く「水木しげるロード」には、妖怪のブロンズ像が178体並び、妖怪神社や河童の泉、水木しげる記念館など見所満載。関連グッズを売る土産店や飲食店も多く、ファンの聖地となっています。
主産業は水産業で、特にカニは水揚げ日本一、生クロマグロも日本有数の水揚げを誇ります。西日本有数の白ねぎの産地でもあり、農業分野でも特色をもちます。また、江戸時代前期から続く伝統手法で栽培される「伯州綿」のブランド化にも力を入れています。近年は、古くから地理的・歴史的につながりがある「中海・宍道湖・大山圏域」の広域連携を推進。観光や産業振興などを地域一体となって進めることで、持続的な発展をめざしています。

◇鬼太郎のまち
「水木しげるロード」を中心に、公園や街灯、お店、交番など、あちらこちらに鬼太郎や目玉おやじなど妖怪の姿が! 「鬼太郎に会えるまち」として国内外で知名度が高く、令和6年の年間観光客数は200万人を突破。

◇港のまち
日本有数の水揚げ量を誇る「境漁港」、国際クルーズ船の寄港が急増している港湾「境港」、ソウル・台北・香港便が運航する国際空港「米子鬼太郎空港」と、3つの港を有する。ちなみに港湾「境港」の呼び名は「さかいこう」。

◇魚のまち
境漁港では、日本一の水揚げ量を誇るベニズワイガニや、毎年5~7月には生クロマグロが水揚げされる。また、漁港の隣には新鮮な魚を味わえる「境港水産物直売センター」があり、観光客にも人気を集めている。

◇水木しげる記念館
令和6年4月にリニューアルオープン。代表作『ゲゲゲの鬼太郎』など、水木しげるさんの世界を楽しみながら堪能できる。

◇夢みなとタワー
高さ43m、「日本一低いタワー」として認定。日本一低くても、全面ガラス張りの展望室から望む、360度のパノラマは圧巻。

◇米子鬼太郎空港
山陰で唯一の国際空港。鬼太郎や妖怪たちのオブジェが並ぶ。境港駅から列車または車で約15分と、アクセスがいい立地。

◇鬼太郎列車
写真の鬼太郎列車のほか、目玉おやじ列車、ねずみ男列車、ねこ娘列車、砂かけばばあ列車、こなきじじい列車の6種類が運行中。

◇大漁市場なかうら
境漁港で水揚げされた新鮮な魚の幸と、珍味やお菓子など山陰のお土産が揃う。隣接の食事処「弓ヶ浜」では海鮮丼や刺身を提供。

◇白砂青松の弓ヶ浜サイクリングコース
境夢みなとターミナルから皆生温泉(米子市)まで、約15.8kmの風光明媚なコース。傾斜が少なく、初心者も手軽に楽しめる。

◇新鮮な海の幸
クロマグロやベニズワイガニはもちろん、境港サーモンやアジ、イワシなど、一年を通して旬の海の幸が食せる。

◇ベタ踏み坂
境港市と島根県松江市八束町を結ぶ中海に掛かる橋で、正式名は「江島大橋」。最上部が高さ45mに達し、その急勾配から一躍有名に。

※写真は本紙をご覧ください。

◎Sakaiminato-City Profile
鳥取県の西部、長さ約20kmの大砂州である弓浜半島の北端にある境港市は、三方が海に開けた位置にある。昭和29年に境町が周辺の渡村・外江町・上道村・余子村・中浜村の5か町村と合併して境港町となり、昭和31年4月に市制を施行。

人口:32,164人(令和7年4月末現在)
面積:29.11平方キロメートル
【URL】https://www.city.sakaiminato.lg.jp/

■さかなと鬼太郎のまちへ、ようこそ
境港市は、ひとことで言うと「さかなと鬼太郎のまち」。対馬暖流とリマン寒流が交わる海域は魚介の宝庫で、生産から加工・流通まで一貫して担っているのも特徴です。「水木しげるロード」は、行政と民間が連携して取り組んだ地域おこしの成功例として、全国的な注目を集めています。さらに本市は、2050年までに「ゼロカーボンシティ」の実現を目指すと表明。海草や海藻の藻場の形成に向けたブルーカーボンの推進や、太陽光発電の導入など、環境保全を積極的に進めています。

境港市長 伊達 憲太郎(だて けんたろう)