くらし 前札幌市長 上田文雄氏を悼む

平成15年から平成27年まで、札幌市長を務められた上田文雄(うえだふみお)氏が、去る9月18日、77歳でお亡くなりになりました。44年ぶりの民間出身の市長として、「市民の力みなぎる、文化と誇りあふれるまち」を目指し、札幌の発展に尽力されました。上田氏の数々のご功績に心から感謝と敬意を表します。

■上田文雄氏の略歴
昭和23年 幕別町で出生
昭和47年 中央大学法学部卒業
昭和53年 札幌弁護士会に登録
平成6年 札幌弁護士会副会長に就任
平成15年 札幌市長に就任
平成27年 札幌市長を退任

■市民自治の推進や都市インフラの整備に尽力
上田氏は、市民こそがまちづくりの主人公であるという信念の下、自治基本条例を制定し、市民と共にまちづくりを進められました。市民や企業から募った寄付金で、町内会やボランティア団体などによるまちづくり活動を助成する「さぽーとほっと基金」を創設されたほか、市民の理解や協力の下、ごみの大幅な減量も成し遂げられました。
また、地下鉄さっぽろ駅と大通駅を結ぶ札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)の整備や札幌市電のループ化などを通して、街のにぎわいの創出や市民生活の利便性向上にも取り組み、札幌の持続可能な発展の基盤を確立されました。

■文化・芸術の魅力があふれるまちづくりを推進
上田氏は、文化・芸術が都市にもたらす力を信じ、世界三大教育音楽祭の一つであるPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌)やサッポロ・シティ・ジャズといった文化イベントの発展にも力を注がれました。
さらには、創造性を生かした魅力あるまちづくりを戦略的に進めるために「創造都市さっぽろ」を掲げ、札幌の街で国内外の多彩なアートに触れることができる札幌国際芸術祭やさっぽろアートステージなど、札幌を代表するイベントの立ち上げも主導され、現在の札幌が持つ魅力的な都市ブランドの礎を築かれました。