子育て 【特集】子どもの居場所(2)

■まざる場
美原にある複合商業施設「グランディールイチイ」に、今年の6月、子どもなら誰でも利用できる「まざる場」がオープン。イベントに参加したお子さんにお話を聞いてみました。

◇手作りで作ろう「本作り」
誰でも簡単!自分だけの特別な一冊。
大人と一緒に本を作りました。

・あかりちゃん(小学2年生)
最初は絵本をつくることができるのか不安だったけれど、最後までつくることができた。上手につくれて、うれしかった。

・しおりちゃん(小学1年生)
優しく教えてくれて楽しくつくれた。みかんの色がきれいに塗れてよかった。

Q.学校から帰ったら何をしているの?
A.まず宿題をして、その後は公園で遊んだり、お母さんとテレビを見たりしています!

Q.学校や家以外でどんなところで過ごしたい?
A.おもいっきり走り回れるところ!「いちいの森」(まざる場の隣の屋内広場)が好き。ボールプールや登れる丘で遊びます。お父さんと一緒にする鬼ごっこも楽しい!

他にも、みんなでごはんを食べたり、遊んだり。
「まざる場」の詳細はこちら
※本紙に二次元コードが掲載されています。

◇まざる場コーディネーター 大室 果瑚 さん
まざる場では、月2回の「まざる食堂」や「まざるイベント」を通して、地域の子どもから大人までが交流しています。平日は、大学生スタッフが中高生と関わる「まにまに」を週2回実施。静かに過ごしたい子も、話をしたい子も、スタッフが必ず声をかけ、安心できる雰囲気をつくっています。
ラジオ体操など地域行事にも参加し、SNSでは届かないつながりを広げています。まざる場は、自分らしくいられる居場所として、少しずつ地域に根づいてきています。
五稜郭のシエスタハコダテにある「Gスクエア」もそうですが、公共的な場所の中で人と人とがつながる活動ができるのが良いところ。人と人がまざり合い、関わりの接点が自然に生まれる場所にしたいです。

■多様化する子どもの居場所、大人にできること
◇「ただいま」と帰ってくる場所に
平澤 修(ひらさわ よしみ)さん(本紙写真・左)
本谷 文子(ほんや ふみこ)さん(本紙写真・中)
松下 知春(まつした ちはる)さん(本紙写真・右)

いーとの家は、小学生が自由に過ごせる無料のフリースペースで、個人・団体からの寄付によって運営しています。土日、夏冬休みは子ども食堂を開催しています。ここでのルールは「遊ぶ前に宿題をする」ことだけ。学ぶことは子どもたちの生きる力になりますし、何よりも家で親と過ごす時間を充実させてほしい。ここでは、宿題をして、おやつを食べて、おふろにも入れます。家庭の事情も様々ですが、少しでも親の負担が軽くなれば。

大切にしているのは、子どもの意見を尊重し、よく話を聞き、決して否定しないこと。子どもだけで話し合う「子ども会議」を開催して、やりたいことを決めます。子どもは、失敗をおそれます。大人からの評価を気にするからです。大人が先回りし過ぎないことが大切です。ここではスタッフも子どもにとって対等の友達です。大人が失敗する様子を見せることで子どもも安心します。親子の関係では難しくても、親以外の大人だからできることがあります。

子どもたちは「ただいま」と言ってこの場所に来ます。私たちも「おかえり」と迎えます。どんな子どもでも安心して過ごすことのできる、笑いの絶えない場所でありたいです。

問合せ:いーとの家
【電話】76-7721
日時…水~日曜日
場所…函館市大川町8-20

◇「子どもの居場所」の応援団を増やしたい
國嶋 莉々(くにしま りり)さん(本紙写真・左)
福田 琢磨(ふくだ たくま)さん(本紙写真・右)

みかん箱のキャッチコピーは、「こどもがいくとこ、おとながいるとこ」。「学び・出会い・感動を繰り返して、人生を豊かにする」場所です。大人が楽しんでいなければ、子どもも楽しく過ごせない。子どもも大人も心地よく過ごせることが大切です。ここには、音楽が得意な人、ちょっと変わった大人など、さまざまな人がいます。そうした大人との出会いが、子どもたちの新しい挑戦のきっかけになれば。

今の子どもたちは、知識として「知っている」ことは多くても、実体験が少ない。ここでは五感を使って体験から学ぶことを大切にしています。ただ、そのような学びを提供するには大人の力量が必要で、うまくいかないことも多い。それでも、「何かを伝えようと一所懸命に向き合う大人がいる」ことは、子どもに伝わります。勉強が苦手でも、不登校でも、人生が終わったわけではない。まずは、ここで楽しいことを見つけ、将来を考えるきっかけをつかんでほしい。

ドラえもんに出てくる空き地をなくした大人たちは、それに変わる居場所を用意する責任があります。放課後の子どもたちの当たり前の姿を取り戻すために、「子どもの居場所」がいろいろあるっていいよね、という大人を増やしていきたい。

問合せ:みかん箱
【電話】84-5762
日時…
・探求塾 月、水曜日
・ベースキャンプ 火~木曜日
場所…函館市末広町9-9