くらし 市政執行方針~明るい未来の実現に向かって~(1)

2月25日から開催された市議会定例会では、工藤市長の市政執行方針演説や一般行政報告を行ったほか、3月補正予算及び新年度当初予算の審議が行われました。
※内容は一部を要約して掲載しています。全文は、市ホームページをご覧ください。

■はじめに
令和7年度は、新たな総合戦略に基づき、「若い世代への支援の充実」、「地元企業の人材確保対策の強化」、「地域の医療環境を守る体制の強化」などの施策について、地方創生の観点を意識しながら、力強く取組を進めていく年度となるほか、秋には、いよいよ市役所新庁舎の供用も開始されます。
このまちの今後の目指すべき姿に向けた道筋をつけていく上で、新たな局面に向かう変革の1年としていかなければなりません。

■(1)子ども・若者の夢を育み、次代を担うひとづくり
◇私学への支援
育英館大学は、前身の稚内北星学園大学開学当初から、地域に根差した公設民営の大学として、本市の取組にも様々な形で関わってきたことはもとより、現在の体制になってからも、情報分野に強みを持ち、DX社会の中で活躍する人材の輩出が期待されています。
稚内大谷高等学校は、地域の即戦力となる人材輩出を視野に、生徒の資格取得に向けた地域産業連携教育や、小・中学校との教育連携に取り組んでいます。
このまちの子どもたちの可能性を伸ばし、将来の活躍を応援する観点から、また地元への人材輩出を期待する意味でも、両校の教育活動へ支援していきます。

◇若い世代への支援
子育て世帯の負担軽減のため、私の4期目において「5つのゼロ」として掲げた目標のうち、医療費の無料化については、初診時の一部負担金と、所得による制限を撤廃し、高校生までの医療費を完全無料化することで、子育て世帯のさらなる負担軽減を図ります。
また、若い世代の多くが市外へ流出する中、このまちに生活の拠点を置いて定着する方々を、まちとして応援する観点から、結婚に伴う披露宴の開催などに対し、地域経済活性化の意味も含めて支援します。

■(2)安らぎの空間に笑顔あふれる基盤づくり
◇空港
空港所在自治体として空港運営会社と強く連携しながら、利用拡大や就航路線の強化・拡充に向け取り組むとともに、空港運営会社が進めている令和7年度以降の中期事業計画の策定状況を見守りながら、空港機能の充実などに向けた今後の動きを支えていきます。

◇鉄道
JR宗谷本線は、令和8年度末までに、線区ごとに事業の抜本的な改善方策を取りまとめることとしており、存続のためには、この3年間がまさに正念場です。
沿線の協議会による実証事業などを継続するほか、他の沿線自治体と認識を共有し、観光利用の促進を図るとともに、本市独自に市民の都市間移動に対する助成にも取り組みます。

◇道路
国道40号の整備では、令和7年度中に長年工事が進められてきた音威子府バイパスが開通する予定であり、旭川方面への移動時間短縮や冬期間の安全性が大幅に向上するものと期待しています。稚内空港や稚内港の国道からのアクセス道路整備の方向性を、地元経済界と連携し検討を進めます。
市街地の道路整備は、緑・富岡環状通の第2工区工事が完了し、引き続き、市内の適正な車両交通量や災害対応の観点から、必要度と優先度を踏まえ整備します。

◇港湾
稚内港は、風力発電資機材の輸送の効率化や、大型クルーズ船の入港に欠かせない航路・泊地の浚渫などの整備を国に強く働きかけるとともに、外国籍のクルーズ船の寄港などポートセールスに努めます。
宗谷港は、既に工事が進められている係留施設の整備を国にさらに要望するとともに、関係者による輸出促進協議会を立ち上げ、屋根付き岸壁を含むハード整備や、輸出促進に向けたソフト事業の検討を進めます。

◇都市基盤
中央地区は、市役所新庁舎の整備と並行して、庁舎を核とした都市軸を形成し、官民連携による地域の活性化や観光拠点としての賑わいづくりなど、中央地区のあるべき姿への再編に向け民間企業等の動向も踏まえ、検討をさらに進めます。
南地区は、旧稚内海員会館とその敷地を対象に、民間事業者の意向把握や投資の促進を図るため、事業者との直接対話による市場調査を行います。

◇上下水道
能登半島地震では基幹施設の耐震化が未実施であったことにより、被害が拡大、復旧が長期化したと言われており、本市でも「上下水道耐震化計画」を策定し、令和7年度は萩が丘浄水場の配水池及び終末処理場の耐震化を実施します。

◇防災
上下水道の整備や、大雨災害時の道路冠水を未然に防ぐために進めている雨水幹線の整備など、ハード面の整備はもとより、総合防災訓練をはじめとした訓練活動や防災啓発活動など、ソフト面の取組の充実にも取り組み、市全体の防災力の強化を進めます。