くらし 市政執行方針~明るい未来の実現に向かって~(2)

■(3)地域の資源を活かした魅力ある仕事づくり
◇水産業
基幹産業を守る観点から取組を進める必要があり、引き続き、ウニやナマコの資源育成に対する支援や、老朽化した漁港施設の長寿命化などに取り組むほか、密漁被害対策、昨年の全道的なホタテの採苗不振を受けた稚貝確保対策など、喫緊の諸課題に対する漁業者の取組を支援します。

◇酪農
農業生産基盤の整備により生産性・収益性の向上を図るため、引き続き、勇知地区の農地防災事業や大規模草地における育成牛・哺育牛の預託体制強化に向けた施設等の整備事業を、国や北海道に働きかけます。
新規就農者に対する補助金の交付や、稚内の農業のPR、農業実習希望者の受入などの担い手確保対策のほか、北海道や関係団体と連携を図りながら、安心して営農を継続できる環境づくりに取り組みます。

◇林業
森林環境税を財源とする森林環境譲与税を活用し、所有者が行う森林整備に対し助成を行っており、令和7年度は補助対象を拡大し、積極的な施業を促進します。

◇観光
令和7年度は9月から10月にかけ、北防波堤ドームなどのライトアップをはじめとした夜の時間帯を楽しめるコンテンツの整備に、観光事業者と連携しながら取り組むほか、観光シーズンの通年化を目指し、実証事業を行ってきた大沼湖畔でのサウナの活用も含め、冬季の体験型観光コンテンツの造成を進めます。
宿泊税は、今月立ち上げた「稚内市観光振興のための新税に関する審議会」において、まずは導入の是非について議論いただいており、その結論も踏まえ、方針を決定していきたいと考えています。

◇人材確保
企業が行う人材確保の取組に対する支援について、奨学金の返還や市外から就職する際の赴任費用に対する企業支援を新たに追加し、各企業と行政が一体となった人材確保の取組を強力に推進します。
外国人材の本市への定着や今後の確保に向けた環境整備を目的に、市内で暮らす外国人労働者やその家族に対し、昨年8月に赴任した国際交流員の高い語学力を活かした生活相談や通訳サポートなどを実施し、取組状況やニーズを見ながら、体制の拡充を図ります。

■(4)互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり
◇地域医療
市立稚内病院は、医療従事者不足が深刻さを増し、病棟の再編成などの検討を余儀なくされており、今後も二次医療圏のセンター病院としての機能を果たすため、人材確保など体制の充実について、稚内高校の衛生看護科・専攻科を守ることも含めて取り組みます。
在宅での医療・介護のニーズを踏まえた在宅医療センターの設置は目途がついており、「地域医療を考える稚内市民会議」や「医療と健康のまちづくり応援団」と連携し、市民理解を深める取組も行い、年度内の設置に向け調整を進めます。

◇高齢者の社会活動推進
高齢者の活躍を抜きにして、今後のまちづくりは語れず、活動に必要な備品整備等に対する補助制度を継続し、高齢者の社会活動への参加の推進を図ります。

◇鳥獣被害防止
令和6年は本市でもヒグマの出没情報が相次いだほか、ドローンを活用したエゾシカ捕獲などを進めていますが、個体数の減少を実感できる状況にはありません。今後3年間の計画として、本年3月に策定する「鳥獣被害防止計画」に基づいて、北海道や関係団体とともに捕獲による個体数の減少を図り、生活被害や農業被害の防止に努めます。

◇交通安全・防犯
本市での交通事故件数は減少傾向にあり、このまま継続すれば本市では2度目となる「交通事故死ゼロ1000日」を達成します。昨年から努力義務化されている自転車利用者のヘルメット着用の啓発なども含め、引き続き、交通安全運動の取組を推進します。
防犯は、警察署や関係団体と連携を深め、市民の誰もが犯罪の被害者や加害者となることを未然に防ぐため、啓発活動や青色防犯パトロールを継続します。

◇消防・救急
消防事務組合を通じて、消防団や関係団体と連携した火災予防活動や市民への啓発活動を継続するほか、救急・救助体制についても、隊員の災害対応能力向上に向けた実践的訓練の実施と専門知識の習得に努め、市民の生命と財産を守ります。

◇循環型社会
本市では生ごみの多くが、一般ごみとして埋立処理されているという課題が明らかになっています。
令和7年度は容量が小さい1.5リットルの生ごみ袋を新たに導入し、市民に対し、あらためて生ごみの分別徹底を呼びかけます。

◇ゼロカーボン
「北風と太陽エナジー」による公共施設への電力供給が、本年4月から開始されます。再生可能エネルギーの地産地消を促進し、一大発電基地としての本市のメリットを最大化する観点から、大量の電力を必要とするデータセンターの誘致に向け、市としての協力や支援策の検討を進めます。
令和6年度から実施している「省エネ製品買替促進補助制度」を継続し、各家庭に負担軽減を実感していただきながら、フォーラムなどの開催も含めた啓発活動に努め、市民の省エネ意識の向上を目指します。

◇DXの推進
デジタルツールを活用した業務効率化の検討を進めてきたほか、公式ホームページとSNSを連動させ、よりきめ細かな行政情報の提供や、双方向でのやりとりが可能となる仕組みをスタートしました。令和7年度は、新庁舎への移転も控え、市民の皆さんの目にも変化を実感していただけるよう、業務の在り方の変革を追求し、取組を進めます。