くらし 健康一番

■備えあれば憂いなし
主任介護支援専門員
板垣

9月1日は「防災の日」です。
平成28年の熊本地震では、高齢者や障がい者など、支援が必要な人々に十分な支援が行き届かず、慣れない避難生活によるストレスやエコノミー症候群・負傷の悪化で体調を崩し多くの人が犠牲となりました。
「助かった命をどう守るか」が大きな課題となり、全都道府県に災害派遣福祉チーム(通称:DWATディーワット)が設置されました。
昨年1月の能登半島地震では、全ての都道府県からチームが派遣され、災害時は互いに支え会う仕組みが出来ました。
災害派遣福祉チームは大規模災害時に、高齢者・障がい者・乳幼児・妊産婦・外国人などの「要配慮者」が安全に安心して避難生活を送れるよう支援する福祉職(介護福祉士・社会福祉士・ケアマネジャー・保育士など)で構成されたチームです。避難所や在宅避難している人々の見守りや相談対応・環境整備・応急的な介助・地元の支援者への引継ぎなど、時期や状況に応じた支援を行います。
防災の備えと聞くと、まず水や食料など「物」の備えが思い浮かぶと思いますが、災害時に必要な行動がとれる「知識」の備えも大切です。
防災への備えは命を守る第一歩。特に高齢者など要配慮者にとっては、日頃の備えが生死を分ける重要なポイントになります。災害は起きて欲しくはないものですが、ぜひこの機会に考えてみてはいかがでしょうか?

◆「知識」の備え(例)
・自宅の災害リスク(地震・水害・土砂災害)を把握する→防災ガイドブックで確認
・警戒レベルと避難のタイミングを知る
→レベル3:高齢者等避難開始
レベル4:全員避難
・避難所までの道を実際に歩いてみる
・「いつ・誰と・どこへ逃げるか」を家族と話し合う