くらし 令和7年度 町政執行方針(2)

■農林業振興
次に、農林業振興について申し上げます。
林業振興では、森林環境譲与税を活用し、民有林における造林等、森林施業にかかる経費の一部を支援することにより、町内森林の適正な管理の促進に努めてまいります。
町有林については、ゼロカーボンの取り組みの一つである適切な森林の管理・機能を重視しつつ、下刈りや除間伐、枝打ちなどの森林環境保全整備事業等を計画的に実施し、森林の健全な状態の維持や良質な材の確保のほか、脱炭素の取り組みの一環として森林クレジットを活用した二酸化炭素吸収量のクレジット化を行い、得た収益を森林整備等に活用し、より一層の森林整備の強化に努めてまいります。
大岩地区の予防治山については、危険個所の早期着手要望を行い、併せて倒木等の危険個所の伐採等を実施してまいります。
有害鳥獣対策では、ヒグマによる人身被害や農作物の被害等、町民の命に係わる重要課題であることから、ヒグマ被害対策検討会等で、関係機関と連携を密にしながら、引き続きヒグマによる事故防止に努めてまいります。
また、猟友会員の新規狩猟者確保に向け、引き続き狩猟に必要な資格取得費用や銃等の備品購入費用など全額助成を実施するほか、巡視報酬の増額等を行い、猟友会員の安定した人員確保に努めてまいります。

■観光振興
次に、観光振興について申し上げます。
本町は、海の恵みや地熱などの地域資源に大変恵まれており、歴史ある漁業の営みや食文化、新鮮な海の幸など、これらの豊かな地域資源を活用するため食と観光という視点から、地域に住む人々が愛着や誇りを持って持続可能な地域づくりに取り組むことが重要であると考えております。
このような地域資源を活用しながら観光を進めるべく、「しかべ観光のグランドデザイン」を改訂しておりますが、なかでも道の駅周辺の再整備について、重要課題であることから、町全体への経済波及効果を更に高めるため、隣接する旧亀の湯周辺に新たな核となる施設の整備について取り組んでまいります。
引き続き、温泉街や漁港への観光客の流れをつくるとともに関係人口の拡大を目指し、「海を感じ、湯けむり立ち上る街並み」の形成へチャレンジしてまいります。
また、本町の豊かな資源を活用した新たな体験観光プログラムの開発や既存プログラムのブラッシュアップを行いながら、インバウンドを含めた多くの方に「食」と「体験」を通じた観光を推進し、更なる交流人口を生み出してまいります。
広域観光については、将来を見据え、長期的な視点も取り入れながら広域連携を推進してまいります。
北海道遺産である「しかべ間歇泉」が令和6年に、大正13年に発見されて以来100周年を迎えております。先人から引き継いだ「宝(間歇泉)」を次世代へ継承し、各種事業と連携しながら更なる誘客に努めてまいります。
また、景観の改善や多世代のコミュニティー、高齢者の健康増進を進めるため、観光施設などの空きスペースを活用し、地域住民との協働によるコミュニティーガーデンを推進してまいります。

■移住・定住対策の推進
次に、移住・定住対策の推進について申し上げます。
移住・定住対策については、首都圏で開催される移住相談会等へ参加し、町の魅力発信や本町に移住を検討されている方へのきめ細かな対応に努めてまいります。
また、移住者および定住者等を対象に実施している空家改修支援補助金に加え、新築または中古住宅の取得に対する補助制度を創設するとともに、引き続き、町内に不足している民間賃貸住宅の建設促進を図り、多様な住宅需要に対応した住まいの環境づくりを進めてまいります。
加えて、ここ数年利用が低迷しているちょっと暮らし短期滞在費助成事業の助成内容を拡充するなど、移住・定住関連の各種支援制度の強化を図ってまいります。

■地域公共交通対策
次に、地域公共交通について申し上げます。
地域公共交通は、通勤、通学、買い物、通院など、日常生活における移動手段として欠かすことのできないものであります。
本町では、定額で町内を循環する「しかバス」や、路線バスの空白地域におけるデマンドバスの運行などの各種施策に取り組み、町内公共交通の充実に努めているところです。しかしながら、人口減少の本格化、交通事業者における運転手不足の深刻化などに伴い、全国的に公共交通の維持が非常に厳しい状況にありますが、利用者や鹿部町地域公共交通活性化協議会など関係機関との連携を深めるとともに、「鹿部町地域公共交通計画」に基づき、公共交通の利便性、効率性の向上を図り、持続可能な生活路線の確保に努めてまいります。
また、北海道新幹線「新函館北斗~札幌」間の開業に伴う、JR函館本線の並行在来線については、事業主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構が当初計画の令和12年度の開業が困難とし、開業時期が未定とされていますが、引き続き、沿線自治体で構成する北海道新幹線並行在来線対策協議会において、札幌延伸後の公共交通の確保について、令和7年度中の方針決定を目指し協議してまいります。

■子育て支援の充実
次に、子ども・子育て支援について申し上げます。
子育て支援については、「第3期鹿部町子ども・子育て支援事業計画」に基づき、本町に暮らす、すべての子どもの健やかな成長と子育て中の保護者を支えるために、各種施策を推進してまいります。
「しかべ保育事業」については、待機者が生じることのないよう令和7年度から利用定員を拡大し、幼児保護者の職業生活と家庭生活の両立を支援してまいります。
また、子育て負担ゼロへの挑戦としての各種事業についても引き続き進めてまいります。
令和7年度からは、町内に住所を有し、私立学校や特別支援学校などの町外の学校に在学する児童生徒も無償化の対象とする「町外就学児童生徒教育費助成事業」を実施いたします。
母子保健事業については、妊娠期から子育て期までに安心して子育てができるよう、切れ目のない支援体制として子育て世代包括支援センターを拠点に、保健師や栄養士等による支援の充実を進め、各種健診や家庭訪問、予防接種事業を継続してまいります。
また、妊婦のための支援給付交付金を活用し、妊婦等の身体的、精神的ケアおよび経済的支援のために妊娠届出時に給付金の支給など引き続き支援してまいります。