子育て 令和7年度教育行政執行方針 教育長齊藤信之(1)

社会の先行きに対する不確実性が高まり、従来の知識や経験だけでは解を見出すことが難しい時代となっています。このような中、学校教育においては一人一人の児童生徒が自分の良さや可能性を認識し、様々な社会的変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となっていくために必要な資質・能力を育成することが求められています。
また、人生100年時代を迎え、一人一人が生涯にわたって主体的に学び続け、多様な個人が幸せや生きがいを感じ、人間性を豊かにすると同時に、地域や村全体でも幸せや豊かさを享受できる学びと地域づくりの実現が求められています。
真狩村教育委員会では、このような動向を踏まえ、未来社会で活躍できる子どもたちを育てる学校教育とウェルビーイングの向上を図る社会教育の実現を目指し、令和7年度の教育行政の推進に努めます。

■義務教育について
▽信頼される学校教育の推進
(1)保護者・地域との連携
子どもたちの健やかな成長と確かな学びを実現するためには、信頼関係を基にした学校と家庭・地域との連携・協力が不可欠です。教育委員会や学校は、すべての児童生徒が自立した学習者として、また、持続可能な社会の創り手として成長していくことができるよう役割を果たし、子どもや保護者・地域の声に耳を傾け、対話を通して教育課題のよりよい解決に努めます。あわせて、学校と地域が協働して学校運営に取り組むコミュニティ・スクールの一層の推進に努めます。

(2)小中一貫教育の推進
施設分離型による小中一貫教育の一層の推進に努めます。すべての教職員が、小・中すべての子どもの学びと成長に携わる意識を持ち、シームレスプランに基づく「学び」「教師」「学校」の三位一体の変革を進め、義務教育9年間をつなぐ教育課程の編成・実施に取り組みます。
そのため、総務省の地域力創造アドバイザー業務委託の活用を図り、一般社団法人「未来の大人応援プロジェクト」の協力を得て、人、もの、自然、歴史、産業等の地域資源を活かした「真狩村MーSHIP」をプロジェクト名とする探究的な学びに取り組み、真狩村の児童生徒としてのアイデンティティを育むとともに、生まれ育った故郷への感謝と誇りをもち、主体的に自分たちの地域を考えることができる次代を担う人材の育成に努めます。

(3)現職研修の充実
児童生徒の教育活動を担う教職員には、常に専門性の向上を図ることが求められます。そのため教員同士が学び合える職場環境づくりに努めるとともに、ICT利活用を含め授業力向上に向けた研修や授業研究に取り組みます。

▽生きる力を育てる教育
(1)「確かな学力」の育成
主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に努めます。一人一台端末を効果的に活用し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実を図ります。
そのため、端末の計画的な更新や通信ネットワークの改善、デジタル教科書やAIドリルの導入など、様々な子どものニーズや学習スタイルに対応した効果的な授業を行うための環境を整え、指導方法や指導体制の工夫改善に努めます。

(2)「豊かな心」の育成
生命を大切にする心や他人を思いやる心、善悪の判断などの規範意識等を身に付け、将来の社会の担い手として健やかに成長してほしいと願うのは、保護者のみならず全村民共通です。家庭・地域との連携を図りながら「特別の教科道徳」を要に学校教育活動全体を通じて道徳性の涵養を図ることに努めます。積極的に外部講師を招聘し、自己の生き方を深く考える機会となる豊かな学びに取り組みます。

(3)「健やかな体」の育成
家庭との連携のもとに子どもたちの笑顔の基盤となる健康・体力づくりのため、体育科の充実を図るとともに、実態に応じた計画的な体力向上に取り組みます。
また、栄養教諭による食育の推進や養護教諭との連携による健康教育に取り組み、正しい知識を身に付け、自分の生活に生かそうとする子どもの育成に努めます。

(4)生徒指導の充実
予防・予見に重きを置き、教職員と児童生徒の信頼関係の中で一人一人の良さや可能性を伸長し、問題の未然防止につなげる発達支持的生徒指導の充実に努めます。安易に他者に同調したり責任転嫁したりすることなく、自分の意思で決断し、実行していく自主性・自律性の育成に努めます。

(5)いじめの根絶
すべての教職員が、定義と組織的対応についての理解を深め、児童生徒を加害者にも、被害者にも、傍観者にもしない学校づくりに取り組みます。
村内の児童生徒が一堂に会する「真狩いじめゼロ子どもサミット」を開催し、全村的にいじめ防止に取り組む気運を高める中で「いじめは絶対に許されない」という一人一人の認識を強め、学校全体でいじめ根絶に取り組もうとする児童生徒の自発的・自治的な活動を促進します。