くらし 令和7年度行政執行方針(8)

■人ひとりが持つ可能性を伸ばし、より豊かな人生を過ごすために
◎はじめに
社会が急激に変化し、将来を予測することが困難な時代において、「正解」のない問いに果敢に取り組みながら、未来を切り拓いていくことが求められています。
国では、令和5年、新しい時代にふさわしい質の高い教育に向けた「第4期教育振興基本計画」がスタートし、北海道教育委員会においては北海道が目指す「自立」と「共生」の理念を継承した「北海道教育推進計画」の下、教育課題解決に取り組んでいます。
北竜町教育行政の推進に当たっては、このような国や道の動向を踏まえるとともに、「北竜町総合計画」における教育の基本目標である「すべての世代が成長し合う活発なまち」に基づき、一人ひとりが持つ可能性を伸ばし、より豊かな人生を過ごすことができるよう「人々が輝く、教育の町北竜」として、子どもたち、保護者、そして町民の皆様の期待や信頼に応えて参ります。
また、令和11年度の義務教育学校開校、並びに令和13年度の学校等複合施設の開設にあたり、本年度は、基本設計の実施、学校経営計画及び施設運営計画策定に向けた検討を行います。
以下、具体的な推進方策を学校教育と社会教育・社会体育分野に分けて申し上げます。

◎学校教育分野について
一人ひとりの子どもたちが秘めている可能性を自らが広げ、生き生きと活動していくため、学校教育の最大の目標である「自立した学習者の育成」を目指し、次の5点を重要施策として実施します。

(1)新しい時代に対応できる資質・能力の育成
子どもたちが豊かな人生を切り拓いていく上で必要な力を育むために、互いに支え合い、認め合う、支持的・親和的人間関係を基盤とした学習集団づくりを進めるとともに、授業の二本柱である「個別最適な学び」と「協同的な学び」を一体的に充実します。
また、「誰もが学べる授業づくり」の実践を進めるとともに、「何を学ぶか」だけではなく、「どのように学ぶのか」を重視することができるよう、教師主導型授業から子ども主体型授業への転換を図ります。
更には、義務教育学校への着実な移行のため、小中連携強化に向け、学校運営協議会で協議を行うなど、地域社会と連携するとともに、教職員の小中相互乗り入れ指導を実施し、小中一貫教育の推進に向けて取り組みを進めます。
本年度も引き続き町費負担教諭の配置により複式学級を解消し、手厚い指導が可能な状態を維持するとともに、学習支援員、特別支援教育支援員を配置し、きめ細やかな学習指導を実施します。
また、外国語教育では、英語指導助手を外国語授業へ派遣するほか、公設学習塾の開催を継続して実施するのに加えて、今年度新たにオンラインによる国際交流事業を実施します。
更に、中学校では、語学留学制度を継続し、生徒の学習意欲を積極的に引き出し、小学校では、外国語専科教員や理科専科教員を配置し、より専門的な学習を推進します。

(2)豊かな心の育成
子どもたちの豊かな人間性を育成するため、よりよい学級集団づくりにつながる「ピア・サポート活動」を実践し、自尊感情や自己有用感を育むとともに、誰もが自分の成長を実感し、達成感を持てる授業づくり、子どもの気持ちに寄り添う日常的な子ども理解に基づく指導を推進します。
それらのことから、「知っている」、「一緒に学んだ」だけではなく、「助け合い」、「支え合った」という人間関係を醸成し、「ひまわりの町北竜」「農業の町北竜」への誇りを持ち、将来にわたり「北竜を愛する心」に根付いた町づくりの担い手を育成します。
さらに、道徳教育の充実を図り、命を大切にする心、他人を思いやる心など、よりよい生き方(wellbeing)を創出する「心の教育」を推進して参ります。
様々な要因で不登校や不登校傾向にある児童生徒には、多様な学びの場を提供し、誰一人取り残さない支援に努めるとともに、スクールカウンセラー、児童相談所など関係諸機関と連携し、一人ひとりの状況に応じたきめ細やかな支援に努めて参ります。
同時に、不登校やいじめ等の問題が発生してからの対処的な対応に頼ることなく、新たな不登校やいじめ等を生まない学校づくりのため、予防・開発的な生徒指導についてピア・サポートを活用しながら推進します。

(3)健やかな体の育成
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果分析を踏まえるとともに、部活動や少年団活動への支援なども継続し、体力運動能力の向上のための取り組みを継続して行って参ります。
また、フッ化物洗口の継続実施や、「がん教育」、「赤ちゃんふれあい教室」なども実施するとともに、防災教育、薬物乱用防止など、自らの判断で自分の命を守ることのできる力を養ってまいります。
更に、学校給食につきましては、引き続き無償化とし、「食育」にも着目した地場産食材を取り入れた安全安心な完全給食の実施に努めて参ります。