くらし 【特集1】令和7年度町政執行方針(2)

(林業)
令和4年度に伐採した町有林について、炭素吸収量が多いとされる広葉樹林への転換を図るため、令和5年度から2か年にわたり植栽を実施しました。これは「伐って、使って、植える」という資源循環を促進し、木材利用を拡大するという、カーボンニュートラルの実現に資する取組であるとともに、海洋へのミネラル供給により藻場造成を促し、漁業資源の増加による収益向上を目指す取組でもあります。
また、私有林については、森林環境税を活用しながら、間伐等の森林整備が促進されるよう、支援制度の充実や適正な森林管理と環境保全に配慮した持続可能な森林経営を支援してまいります。
更には、森林環境税に対する納税者の理解促進のため、森林整備をはじめ、林業人材の育成や公共施設等への木材利用の拡大に努めてまいります。

(商工業)
物価高騰の影響をはじめ、消費流通形態の変化や個人消費の縮小などによる地域内経済の低迷、事業主の高齢化や後継者不足など、商工業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。
物価高騰の影響をはじめ、消費流通形態の変化や個人消費の縮小などによる地域内経済の低迷、事業主の高齢化や後継者不足など、商工業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。
引き続き、苫前町商工会との連携を図りながら、商店街元気づくり事業や利子補給事業による中小企業の経営基盤強化、更には6次産業化を促進する新商品開発支援を継続するとともに、消費の下支えを兼ね、昨年同様にプレミアム地域振興券発行事業を拡充し、商工業の振興を図ってまいります。併せて、持続可能な地域づくりのため、事業承継対策について検討してまいります。

(観光)
本町の観光振興の拠点である新日本海地域交流センター「とままえ温泉ふわっと」については、設備更新や客室等の全面改修を果たし、順調に営業を展開しているところであります。
また、道の駅機能においても、誰もが安全・安心に利用できる施設運営に努め、新たな物販棟では、地場産品を中心に品揃えを充実するとともに、苫前の魅力を内外に発信しています。
更には、周辺道路や駐車場の拡幅整備により、利用者の利便性を高め、防災拠点としての機能強化も図っているところであります。
加えて、オートキャンプ場やホワイトビーチといった周辺施設をはじめとした町内観光資源との連動を図るとともに、本町最大のイベントである風車まつりの開催や、観光者へのレンタサイクルの実施と近隣市町村との連携によるサイクルツーリズムの振興など、滞在型観光の促進による交流人口の増加と地域経済の活性化に努めてまいります。

(風力発電事業)
国内初のリプレース事業となった苫前夕陽ヶ丘風力発電所「風来望」は、運転開始から5年が経過し、順調に稼働しているところであります。令和6年4月には売電先を北海道ガス株式会社へ変更し、再生可能エネルギーの地産地消を実現し、地域の温室効果ガス排出削減に大きく貢献しています。
また、上平地区の民間企業についてもリプレース事業が完成し、令和5年10月から13基の大型風力発電が運転を開始しており、順調に稼働をしているところであります。
しかしながら風力発電は、本町をはじめとした導入適地に送電網整備が進まず、貴重な地域資源を有効に活用することができておりません。引き続き、国や道に対して送電網整備の要望を行うとともに、関係市町村や風力発電事業者と綿密な連携を図ってまいります。

(雇用対策)
各地域で人流の回復が進むにつれ、様々な産業分野において人手不足感が強まっており、労働力の確保は、事業継続の足枷とも言える喫緊の課題であります。
本町においては、苫前町高齢者事業団の活用や、外国人技能実習生の受入れ、建設業と農業間での労働力調整などにより、労働力の確保に取り組むとともに、地域貢献活動として町職員が営利企業等に従事する仕組みも設けたところであります。
更には、雇用促進にも資するよう、若年者雇用促進助成金の交付などを継続するとともに、令和7年度からは、新たに奨学金返還支援事業を開始するほか、各産業団体等で構成する苫前町雇用対策協議会でのご意見なども踏まえながら、全町的な雇用対策が推進されるよう取り組んでまいります。