くらし 令和7年度 町政執行方針(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道平取町
- 広報紙名 : 広報びらとり 2025年3月号
3月5日(水)に招集された令和7年第3回町議会定例会において、新年度の町政運営に向け、町長、教育長が執行方針を述べました。
その概要をご紹介します。全文は町ホームページをご覧ください。
平取町長 遠藤桂一
昨年7月に皆様のご支援を賜り、平取町長として2期目のスタートを切らせていただきました。1期目は町政運営のテーマを「ゆたかに暮らせるまち、平取町」として各種事業を進めてきました。2期目はそれに加えて「平取(みんな)の夢を未来(あした)につなぐ」というテーマを掲げ、町民それぞれの夢を実現できる地域づくりを引き続き進めていきたいと考えています。
議会、町民の皆様のご理解、ご尽力を賜りますようお願い申し上げます。
令和7年度平取町各会計予算は、第6次平取町総合計画実施計画を基本に編成し、一般会計の総額は74億5,300万円で、令和6年度と比べ7億4,500万円の増となりました。
財源の確保などは、依然として厳しい状況が続きますが、本予算の執行にあたり総合計画でのまちづくりのテーマごとに取り組む所存です。
■豊かな心を育むまちづくり
○アイヌ文化の振興
令和6年度を初年度とする5か年計画「平取町アイヌ施策推進地域計画」に基づき、主要事業となるイオル再生事業、21世紀アイヌ文化伝承の森プロジェクト事業、大学間連携事業、シシㇼムカ文化大学運営事業などの各種事業を様々な視点からの検証によりさらに充実させ、継続的に進めていきます。
令和7年度から新たな事業として、消滅の危機言語であるアイヌ語を、幼少期から教育を推進する「アイヌ語復興事業」、アイヌ文化の研究や研修等での滞在環境の向上につながる「多目的機能施設」の整備に取り組んでいきます。
また、6年ぶりに「平取町二風谷国際先住民族フォーラム」の開催が予定され、国内外で注目や関心が高まるアイヌ文化の魅力を積極的に発信し、当町の目指す伝承者の育成など、さらに深化した平取町ならではのアイヌ文化の振興、継承を推進していきます。
地域で取り組んできたかわまちづくりの活動が評価され、北海道で初めて「かわまち大賞」を受賞しました。これを契機にアイヌ文化の継承につながる河川敷の活用などを進めます。
○平取高等学校の存続
令和6年度から全国募集を始めましたが、6名の入学者数にとどまり、地域連携校として令和7年度の入学者が10名に満たなければ募集停止という厳しい状況です。
地域の高校がなくなることで地域の衰退が懸念されることから、高校、行政、議会、町民、外部学識経験者等で組織する「平取高校の魅力化を図り存続させる会」での協議で、入学者の獲得の取り組みを強化した結果、道外、域外からの入学者が昨年度以上に増え、内部進学率も大きく伸び、出願者数は22名となりました。
今後も道外、域外からの出願者数の増加と内部進学率の向上を目指すとともに、青少年国際交流事業による海外研修旅行の実施、募集方法の検討、学生寮の整備など、平取高校の魅力化と存続について対応策の強化を図っていきます。
■健康で楽しく暮らせるまちづくり
○保健・健康づくり
心身ともに健康で毎日を過ごすことは、全ての町民の願いであり、自分らしく生きることの基盤となります。
「第1期平取町健康増進計画」は、生活習慣病対策や心の健康対策をはじめとした7つの項目で基本的な健康施策を定め、この取り組みを重点的に進め、町民の健康増進のための生活の質の改善と医療費の適正化を同時に目指します。
健康寿命を延ばすための各種検診の受診率のさらなる向上、令和7年度からは全身健康につながる口腔ケアの取り組みを強化する体制整備をしていきます。
健康なからだをつくり、健康に生きるための基礎は毎日の食事です。「平取町食育推進計画」に沿ってバランスよく食べ、丈夫で健康なからだづくりを目指す食育事業を継続していきます。
○医療
平取町国民健康保険病院は、地域の基幹的な公的医療機関として、地域医療の確保に重要な役割を果たしています。今後も町民の生命と健康を守るための病院として、関係機関との連携を強化し、地域が必要とする医療の展開を図っていきます。
病院経営は、医師を中心とした医療スタッフの努力により、令和7年度の医業収益は増額が見込まれますが、人件費や物価の急激な高騰により非常に厳しい状況です。
地域における平取町国民健康保険病院が持つ役割、機能を発揮し、「平取町国民健康保険病院経営強化プラン」に沿った経営の健全化の具体的な方策を様々な角度から検討し、持続可能な地域医療を提供できる病院づくりを進めていきます。
○子育て
「平取町の子どもが、健やかに育ち、安心して子育てができる環境づくり」を目標に、子育て支援を総合的かつ計画的に取り組んできました。
子育てに対する孤立感や負担感を抱える家庭への支援、子どもを生み育てることをめぐる諸課題への対応がさらに求められています。
子ども・子育て支援制度に基づき、「質の高い幼児期の教育・保育の総合的な提供」「教育・保育の量的確保」「地域の子ども・子育て支援の充実」などを推進し、平取町の次代を担う子どもたちが健やかに育ち、子どもを持ちたいと思う人が安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めます。
町立紫雲古津へき地保育所が、園児の減少により令和6年度で閉所します。
児童数の減少は、民間保育所の経営にも支障をきたすことから、今後の平取町の保育体制について、現実的な方向性を検討していきます。
○高齢者
高齢者の健康寿命の延伸、自立した生活を送ることができるよう、質の高い保健医療・福祉サービスの提供や安定した介護保険制度を確立するため、関係機関や平取福祉会、企業等が相互に連携し、健康づくりや介護予防に取り組める体制の強化、支援制度などのさらなる充実を図ります。
2025年問題といわれる地域の高齢化を見据え、「いつまでも共に支え合う地域づくり」を目標に、町民一人一人の意識の醸成と地域共生社会の構築を目指す各種施策を展開していきます。
○障がい者
障がいのある方の意向を的確に反映し、地域において必要な障がい福祉サービス、相談支援、地域生活支援事業など各種サービスを計画的に提供できるよう「第1期障がい者プラン」に基づき推進していきます。
平取養護学校高等部の卒業生などを含む障がいのある方が、可能な限り地域での自立を目指すことができる就労の場の拡充と住居などの確保のため、本町グループホーム建設に向けた整備を検討していきます。