くらし 男女参画を知ろう

■女性の視点があると社会はもっと暮らしやすくなる
女性の社会進出や女性活躍と聞いたときに「なぜ女性を増やす必要があるの?」「女性が増えると、どんないいことがあるの?」という疑問をお持ちのかたもいらっしゃるかもしれません。実際、社会の中でも同じような疑問がしばしば語られています。しかし、ある分野や組織で女性が少ないことによって、私たちの日常生活に思わぬ不利益や問題が生じている例があるのです。ここではその一部をご紹介します。

1.車のシートベルト
アメリカの調査では、交通事故で重傷を負う確率が女性のほうが47%も高いことがわかりました。原因は、自動車の衝突実験で使われるマネキンが男性型のもしかなく、女性の体格に合わせた安全性の確認が十分に行われていなかったため、シートベルトが女性にとって必ずしも安全とは言えなかったのです。

2.市販の薬
薬の臨床試験でも同様の問題が起きています。市場に出る前の試験では男性の被験者が中心となることが多く、女性のデータが不足していました。その結果、薬の効き目や副作用に性別差があることが見過ごされていたのです。

このように、意思決定や検証の場に女性がいないと、気づかないうちに「男性基準」で物事が進められてしまい、女性にとって不利な状況が生まれることがあります。