くらし ≪特集≫浜田町長退任 まちづくり20年

浜田正利町長が8月2日をもってその任を終えられます。
今号では浜田町長とともに歩んできた新得町の20年間のあゆみを振り返ります。

◆「三世代のつどうまち」を目指して
平成17年8月に町長に就任した浜田正利町長は、令和7年8月までの20年間、新得町のかじ取り役として町政を担ってきました。
「町民との対話」を大切にし、農業や観光、福祉、教育など幅広い分野で町の発展に尽力されました。また、町の未来を見据えた政策として、地域医療体制の強化や子育て支援、交流人口の拡大に向けた取り組みに力を入れてきました。
自然災害や社会の変化にも柔軟に対応しながら、町民の安心と暮らしやすさを第一に考えた姿勢は、多くの信頼を集めてきました。
新たな公共施設の整備やインフラの更新など、まちづくりにも力を注ぎ、町の基盤を着実に築いてきた20年でもありました。

◆写真で振り返る 新得町の20年
▽H17
・浜田町長就任

▽H18
・全道ろうあ者夏季体育大会

▽H19
・「いらっしゃいしんとく」ロゴマーク選定

▽H20
・新得町北海地鶏プロジェクト推進協議会設立

▽H21
・新得町開拓110周年記念式典

▽H22
・子どもセンター「なかよし」オープン

▽H23
・新得町の水「雫、巡る」完成

▽H24
・小規模多機能センター「らら」オープン

▽H25
・「そばくる」運行開始

▽H26
・手話に関する基本条例が施行
・山形県東根市との友好都市提携20周年

▽H27
・新得消防団100周年記念式典

▽H28
・新岩松発電所が本格運転開始
・新得高等支援学校開校
・台風の大雨災害により民家2棟流出、2636世帯が断水、JRの橋梁が流出し鉄道が不通に

▽H29
・特別養護老人ホーム「ひろね」完成

▽H30
・北海道そば祭り併催第17回しんとく新そば祭り開催

▽R1(H31)
・新得高等学校閉校
・全天候型陸上競技場ピラサオープン
・新得町開拓120年記念式典
・宮崎県五ヶ瀬町との姉妹町盟約30周年

▽R2
・北海道が新型コロナウイルス緊急事態宣言発出
・新得浄水場供用開始
・本通橋が開通。台風10号災害に伴う町の復旧事業完了

▽R3
・新型コロナウイルスワクチン集団接種開始

▽R4
・スマートインターチェンジ連結許可書伝達
・新得小学校開校120周年記念式典

▽R5
・ゼロカーボンシティ宣言

▽R6
・JR根室本線(富良野〜新得間)廃線同意
・屈足消防団100周年記念式典
・山形県東根市との友好都市提携30周年

▽R7
・役場新庁舎供用開始
・地域交流センター「とくとく」オープン

●20年の感謝
平成17年8月3日に町長に就任して以来、20年の長きにわたり、町民の皆さまの温かいご支援とご協力のもと、まちづくりに取り組んでまいりました。ともに汗を流し歩んできた日々に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
この20年を振り返りますと、さまざまな出来事がありました。いずれの取り組みにおいても、「町民の暮らしを守るために、やれるだけやってみよう」という思いを胸に、最も信頼できる副町長、そして職員と全力で向き合ってまいりました。

●印象深いこと
中でも特に印象深いものとしては、平成26年3月の手話に関する基本条例の制定、新得高校の存続対応と新得高等支援学校の開校、平成28年8月の大雨災害への長期的な対応、令和4年9月のスマートインターチェンジ設置の許可、令和6年3月31日の根室本線(新得―富良野間)の廃止および翌4月1日のバス転換などが挙げられます。これらの課題一つひとつに対して、多くの方々のご協力をいただきながら取り組むことができました。あらためて深く感謝申し上げます。

●新得町のこれから
これからの新得町について、私の経験から申し上げられることは、「まちづくりの基本は、人と人とのつながりである」ということです。町民の皆さまをはじめ、同じ志を持つ方々と対話を重ね、政策の具現化に向けた歩みを進めることが重要です。そして、行政内部においては、組織としての力を最大限に発揮できるよう、職員一人ひとりの資質向上が欠かせないと考えております。
今後のまちの発展に向けて、まずは農業をはじめとする既存産業のさらなる磨き上げが必要です。しかしそれに加えて、これまで以上に重視すべきは環境問題への取り組みだと感じております。水や山林、二酸化炭素といった資源や課題に、これからのまちの未来がかかっているのではないかと考えております。
また、エネルギー政策についても、基礎自治体として取り組むべき課題と考えておりますので、現在調査を進めております、「地熱エネルギー」の活用に向けて、一歩でも前進できればと願っております。さらに、小水力発電についても、持続可能な経済性を確保できるようなモデルを目指して取り組んでほしいと考えております。

●次の世代へ
現在、スマートインターチェンジの整備が進められており、鉄道についても一定の見通しが立ちました。旭川方面との交通整理も概ね完了し、新得町は交通の要衝としての存在感を今後も維持していけるものと確信しております。こうしたさまざまな課題については、次の世代へしっかりと引き継いでまいります。
最後に、新得町の歩んできた「歴史の重み」を、ぜひ心に刻みながら、新たな時代を切り拓いていただければと願っております。
長きにわたるご支援に、心より御礼申し上げます。

浜田 正利
昭和30年3月5日
新得町生まれ70歳
昭和48年新得高等学校を卒業
昭和48年4月新得町役場に奉職
保健福祉課長、農林課長、企画調整課長などを歴任
平成17年6月新得町役場を退職
平成17年8月新得町長に就任し、以降令和7年8月まで20年にわたり町政を担う
・ダム・発電関係市町村全国協議会 会長(令和5年11月13日〜)
・「地域に開かれたダム」全国連絡協議会 会長(令和6年6月12日〜令和7年6月4日)