くらし 【特集】共に見いだす『村の美しさ』のために~「日本で最も美しい村」連合20周年~
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道中札内村
- 広報紙名 : 広報なかさつない 令和7年7月号
■なかさつない 美しい村連合通信 vol.26
今回は、先月号でお知らせしていた「日本で最も美しい村」連合が目指す“美しさ”についてお話させていただきます。
景観には、大きく分けると都会的な美と田舎的な美があります。都会的な美は、機能性を重視したデザインで、直線的・規則的な景観です。ビル街や四角く区切られた街並みをイメージしていただけるとわかりやすいと思います。対する田舎的な美は、曲線的で自然と調和している景観です。山や田畑に溶け込んで佇む住宅、あぜ道や澄んだ小川など、のどかなイメージです。
それぞれに魅力がありますが、連合が目指すのは後者の田舎的な美です。
次に具体的な事例を紹介します。左の写真(写真(1))(※本紙参照)をご覧ください。
これはフランスのある街の写真ですが、フランスの最も美しい村協会による審査でマイナス評価となった箇所があります。どの部分かおわかりになりますでしょうか。
正解は「街灯」です。直線的で都会的なデザインであり、沿道の木々よりも高く伸びている様子が美しい村にふさわしくないと指摘されたそうです。
次(右 写真(2))(※本紙参照)もフランスの写真です。やはりマイナスとなった箇所がありますが、どの部分なのか予想してみてください。
これはわかった方が多いと思いますが、「シャッター」が正解です。レンガの壁に対して、現代的で人工的な素材を使ったシャッターは調和しているとは言えません。
これらの事例のように、その地域の歴史や風土に合った形態やデザインとすること。そして、できるだけ自然素材を使用し、周囲の風景と調和している色や形にすることも、連合の考える美しさの基準の一つです。
ちなみに、フランスの最も美しい村では建築物が美しさを象徴する資源とされることが多いようですが、日本の場合はもっと抽象的なものも重要視しています。
地域の祭りや伝統芸能、職人の技術や食文化など、様々な要素が美の基準とされています。
先日受けた講話で、「美しい景観がないと言う町村もあるが、その地域ならではの価値が必ず何かあるはず。」という話を聞きました。もしかすると住民でも気が付いていない魅力がまだまだ隠れているのかもしれません。そういえば視察で訪れた清里町の「神の子池」も、今でこそ人気観光地ですが、以前は一部の釣り好きのみが知るスポットだったそうです。
美しさはただ保全する、作り上げるだけではなく、「見つける」という視点も大切なのではないでしょうか。
◇今年で20周年を迎える「日本で最も美しい村」連合について、改めてご紹介します。
カルビー株式会社社長(当時)松尾雅彦氏と美瑛町長(当時)浜田哲氏が提唱し、2005年に七つの加盟町村でスタートしました。
当時はいわゆる「平成の大合併」の時代。多くの小規模自治体が消滅する中、小さくても素晴らしい地域資源を持つ自治体を守り、美しい景観を後世に残したいという強い思いがあったのです。
その後加盟町村は徐々に増加し、2025年6月現在は57町村・地域に拡大。中札内村は2016年に美しい村の仲間入りをしました。
問合せ:総務課企画財政グループ
【電話】67-2491