- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道白糠町
- 広報紙名 : 広報しらぬか 令和7年10月号
村山(むらやま)隆一(りゅういち)
1964年3月生まれ、白糠町出身。
1982年5月、釧路西部消防組合消防署に消防士として奉職。2022年4月、釧路市西消防署白糠支署長に就任。心理相談員や産業カウンセラーなどの資格を所有。
好きな食べ物はカレーライス。
■No.5 地震の備え(後編)
~いざという時、役立つ備えを~
▼1~3日間を過ごすための「二次非常持出品」
前回は「一次非常持出品」として、避難直後に命を守るために必要な最低限の持ち物を紹介しました。今回はその次のステップ、「二次非常持出品」について考えてみましょう。
◎二次非常持出品とは?
避難所や車中泊、親せき宅などで1〜3日間生活をすることを想定し、最低限の安全が確保された後の『その先』の生活を支える持ち物です。
たとえば、地震や津波の発生でとっさに避難したあと、自宅が無事だったとしても、すぐには戻れないことがあります。また、風水害などでは避難までに少し時間があることも。こうした場面で、「持ち出せれば安心」という準備が大切です。
◎『自分に合った』二次持出品
・軽く・使えて・自分に合うもの
・家族みんなで中身を把握し確認
・避難の流れを具体的にイメージ
〔例〕
・食料・飲料水(人数×3日分)
避難所では、すぐに十分な食料や水が届くとは限りません。アレルギーなど特別な食事が必要な人にとっては命に関わることも。
・簡易食器(紙皿、紙コップ、割り箸など)
避難所では共用が難しいこともあるので、自分用を準備。
・携帯トイレ(人数×3日分)
トイレ問題は衛生・健康・心の安定に直結。特に水が使えない状況では必需品。
・常備薬、応急手当キット
持病のある方は特に必須。ケガや体調不良の備えに。
・毛布、防寒シート、防寒着
夜間や冬の寒さから身を守るために。特に厳寒期では命を守る備え。
・ウェットティッシュ、ティッシュ、ごみ袋
手拭きや簡易な洗顔、清掃、ごみ処理など多用途で使える。
・歯ブラシ・口腔ケア用品
口の清潔が保てれば食事もしやすく、誤えんや虫歯を防ぐためにも大切
・タオルや着替え(下着、靴下含む)
体を拭いたり、寒暖差に対応したり、衛生面・気分転換のためにも。
・生理用品・おむつ・介護用品
家庭の事情に応じて、誰にとっても必要なものを忘れずに。
・スリッパ、替えの靴
濡れた靴の替えや室内での生活に重宝。
・娯楽品(トランプ、折り紙、絵本など)
子どもや大人の心の安定やストレス軽減に。
・ハザードマップ(紙)
停電時や通信障害時でも避難経路や危険箇所の確認に。
◎自分と家族にぴったりの備えを!
これらのほかにも、自分や家族に必要なものを忘れずに用意しましょう。年に一回は中身を見直し、「これで大丈夫か?」と家族全員で確認しましょう。
▼備蓄品との違い
「非常持出品」は避難時に持ち出す物、「備蓄品」は自宅で避難生活を送るために備える物です。停電や断水などのライフライン停止に備え、家の中に分散して保管しましょう。
家族構成や想定日数に応じて備え、使った分は買い足す「ローリングストック法」が効果的です。避難所だけでなく、「在宅避難」の可能性も見据えて、非常持出品と備蓄品の両方を備えておくことが大切です。