くらし 〔特集1〕青森市の“日本一”おいしい水道水(1)

水の惑星といわれる地球ですが、地球上の水のうち、生活に使える淡水はわずか0.76%。さらに河川や湖などの地表水に限れば、全体の0.01%しかありません。そのような貴重な水を安全に管理し、そのまま飲める水道水として届けている国は、世界では日本を含めわずか9か国と言われています。

私たちの暮らしに欠かせない「水道」。何気なく蛇口をひねると出てくる水道水は、実はとても貴重な資源です。青森市では、自然に恵まれた良質な水を安定して届けるために、日々、安全・安心な水づくりを続けています。今回は、そんな「おいしい水道水」の秘密と、その裏にある努力、そして私たちが水道とどのように関わっていけばよいのかを特集します。

■青森市の水道水はなぜおいしい?
「水道の水がこんなにおいしいなんて!」
初めて青森市に来たかたが、そう驚くことがあります。
実は、青森市の水のおいしさには、ちゃんとした理由があります。

・青森に来てから水を買って飲んだことがありません。飲みやすくてすごくおいしいです。
・スッキリ透き通った味がして大好きです。八甲田の恵みに感謝ですね。

▽1 豊富で安全安心な青森の水
青森市は世界有数の豪雪都市と言われており、山間部に積もった雪が地下に浸透して湧き出すことで、豊かな水に恵まれています。横内川の水源地の上部には十和田八幡平国立公園が広がっており、開発などの行為から自然環境が守られています。

横内川を水源とする横内浄水場の水道水は、昭和59年に厚生省(現厚生労働省)の「おいしい水研究会」が行った利き水会で「おいしい」と答えた人が最も多く「日本一おいしい水」と称されました。

・硬度比較
硬度(mg/L)

▽2 恵まれた自然がおいしさの源
青森地区の水源は、八甲田から流れる横内川と、堤川(荒川)の河川水、天田内・原別の地下水、浪岡地区では、浅瀬石川ダムの水を水源とした浄水を津軽広域水道企業団から受水しているなど多様で、恵まれた自然に支えられています。豊富でおいしい青森市の水は、自然が豊かだから…だけではありません。市民の手で、水の源である山、森、川を大切に守ってきたからです。「日本一おいしい水」と称される横内浄水場の水は、横内川上流にある森に育まれています。青森市では、この森を守るため、これまで、多くの市民の皆さんのボランティア活動と寄附金に支えられながら、ブナ、ミズナラなど広葉樹の植林を行ってきました。

▽3 おいしさを支える浄水処理技術
青森市の水道水がおいしい理由の一つは、自然の恵みをふんだんに受けたその清らかな水源にあります。横内浄水場では、このきれいな水を使用し、水中の濁りを自然に沈ませて除去した後、ゆっくりとした速度でろ過する緩速ろ過方式を採用し、さらに磨きをかけています。
一方、堤川浄水場では、活性炭設備を備えた、多くの都市で使用されている急速ろ過方式を採用しています。
天田内配水所と原別配水所では、地下水を利用しています。地下水は、そのままでも十分清らかですが、さらに適切に消毒し、安全で美味しい水道水を供給しています。

▽4 もしもに備える“見えない努力”
安全・安心な水道水は、日々の備えによって供給されます。水道部では、老朽化した配水管の更新や、地震・災害に備えた応急給水体制の整備など、みなさんが“当たり前”に水を使えるよう、努力を続けています。

問合せ:水道部総務課
【電話】017‒734‒4201