くらし 【特集】夢をつむぐ脇野沢の物語
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- 発行日 :
- 自治体名 : 青森県むつ市
- 広報紙名 : 広報むつ 令和7年10月号
脇野沢地区では、老朽化した2つの施設を解体し、その跡地に地域の賑わいを生み出す新たな拠点の整備が計画されています。
地域住民が主体となって参画し、ともに築き上げていく新たな地域の拠点。その取組をご紹介します。
脇野沢地区では、深刻な人口減少と高齢化という課題に直面しています。約60年前のピーク時から人口は約4分の1までに減少し、現在では1,166人(令和7年8月末現在)となっており、これまで地域を支えてきた世代の高齢化が進み、伝統の継承や産業の存続など、地域の維持が難しくなっています。地域を取り巻く環境が大きく変化していく中、時代に即した新たな地域づくりとして「笑顔かがやく希望のわきのさわ」を目標にかかげ、地域住民が主体となって新しい拠点施設を創り出すプロジェクトがスタートしました。
新施設の構想は、令和7年2月に発足した「わきのさわ「夢」プロジェクト推進協議会」で、市の関係部署との座談会を通じ、地域の中学生から高齢者まで幅広い世代にわたる「夢」の種を芽生えさせるための具体的な議論が進められ、詳細な施設の概要が決定しました。
新しい施設は、脇野沢流通センターとマリンハウス脇野沢の跡地に建設が予定されており、敷地面積は6,813平方メートルとなる予定で、車両と歩行者の動線を分離し、イベントスペースや広場と連携させることで賑わいを創出する計画です。

■ここもイチオシPOINT!
◇広い駐車スペース
地域交流はもちろん、イベントでの集客を見込み駐車スペースを広く整備する予定です
■新しい拠点のイチオシPOINT!
◇カフェ・飲食スペース
地域の方やイベントに訪れた方のほか、フェリーを利用する方にもお使いいただけます
◇フェリー受付・待合場所
これまでどおりフェリーのチケット受付や乗船手続きをしていただけます
◇24時間使用可能なトイレ
防犯上の観点から屋内に設置、イベント等でも混雑しないよう便器の数を増やす予定です
◇特産品の販売
焼き干しなどの特産品を販売するとともに、飲食スペースでの提供も予定しています
■食べる、遊ぶ、呼び込む新しいみんなの「居場所」
地域の暮らしと、観光・イベントなどで脇野沢を訪れる人々のために、自分たちの手で未来を創り出す「わきのさわ「夢」プロジェクト推進協議会」の様子をお届けします。
◇ともに描く地域づくり
計6回開催された、わきのさわ「夢」プロジェクト推進協議会では、「こんな施設があったら良いな」という想いがグループワークで活発に議論されました。そこから生まれたアイデアは多岐にわたり、生活に密着した機能、地域の魅力を発信する機能、交流を育む機能に関する意見にまとめられ、最終的な計画案の骨格となりました。
地域住民が主体となり、市や設計業者と連携して進められているこの取組には、新たな地域の拠点としての機能だけでなく、観光資源として多くの人々を迎え入れ、完成後も長く愛され地域に根づく場所を目指すという、委員の皆さんの強い想いや願いが込められています。
こうした想いが、活発で前向きな意見交換の場を生み出しています。地域の「夢」が詰まった新施設が、脇野沢の新たなシンボルとなり、地域に笑顔と活力を生み出し続けられることが期待されます。
新たな地域のニーズに応えるためには限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ)を有効に使うために「選択と集中」の考えも必要です。これまで運航してきた夢の平成号と、リフレッシュセンター鱈の里の運営については、事業の終了を決断せざるを得ませんでした。協議会においても、事業の継続を繰り返し検討してきましたが、より効率的で実効性のある取組へと見直しを図る前向きな決断となり、その他の意見としては建物そのものに対する要望はもちろん、周辺環境や施設の使い方に関する提案も多く出されました。
「創る」だけで満足せず、多世代にわたって「一緒に育てていく」という想いを胸に、これからも「夢」を紡ぐ脇野沢の物語は、新しい施設に集う皆さんの手によって描かれていきます—。
◇笑顔かがやく施設とは
・ガラス張りで、どんな施設か分かるようにしたい
・2階建てで、こどもが遊べるスペースや畳のある部屋が欲しい!飲食のできる休憩スペースも!!
・クラフトビールも楽しめて、テントやキャンピングカーのスペースがあったらいいなぁ
・中にも外にもたくさんトイレがあったら便利!
・ガソリンスタンドが無くて困ってる…
・特産品の加工・販売がしたい!!
・「やませ」や波の影響があるから建物は海沿いの岸壁側にあった方がいいんじゃないかな?
◇夢をつむいだ対話の場
わきのさわ「夢」プロジェクト推進協議会
松野 裕而(まつの ゆうじ)会長
協議会を重ねて、ようやく新しい施設の計画について一つの草案にまとまりました。建物の規模や内装について、市や業者の方々と直接お話しさせていただく機会も設けられ、さまざまな視点で意見を交わすことができて充実した会議となりました。
今後はいよいよ建設計画を進めていくことになりますが、運営方法など残された課題もしっかりと話し合い、長く愛される施設を目指していきたいと思います。
