くらし 3・11震災文庫を読む 80

東日本大震災を語り継ぐため市民図書館に設けた「3・11震災文庫」。所蔵する約1万冊から、よりすぐりの本をご紹介します。

◆あの日の記憶を未来に繋(つな)ぐ震災の記録
東北学院大学 名誉教授 鶴本 勝夫

◇「報道写真全記録2011.3.11-4.11 東日本大震災」
朝日新聞社・朝日新聞出版/著 朝日新聞出版 刊
平成23年3月11日に発生した東日本大震災、この天災を起承転結にまとめると、起は震災の発生、承は避難、転は復興、結は避難者相互の助け合い・希望のようにまとめることができます。この震災は、地震の規模マグニチュード9・0、支援を表明した国・地域134、救出された人2万6666人、津波の浸水面積507平方キロメートル、必要な仮設住宅6万2290戸などでした。(数値は本書より引用)
この本では、最も特徴的な事象を写真で紹介しています。また、自衛隊諸氏の働きにも頭が下がります。今後他国で同様の震災が発生した時は、日本国民を挙げて支援の手を差し伸べることを心に誓わざるを得ません。

◇「河北新報 特別縮刷版 3・11東日本大震災 1ヵ月の記録」
河北新報社/編 竹書房 刊
平成23年3月11日から4月11日までの震災関連の記事が時系列に記されていますが、ほとんどが第一面に大きく報道されており、震災の内容が具体的に分かります。
記事では主に、福島原発の危機や原子力政策の転換、復興のための懸命な取り組み、他国からの励ましなどが目につきます。暗い報道の中でも、明るい話題が、日を追うごとに増え、おばあさんとその孫が倒壊した家屋から9日ぶりに救助された写真や、長期化を余儀なくされた避難所生活で、先行きの不安や疲労が募る中、こどもたちが見せる笑顔が周囲の人々に、再生への意欲と希望を与えている様子が記されています。

紹介した本は、市民図書館でご覧いただけます

問合せ:市民図書館
【電話】261・1585