- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県名取市
- 広報紙名 : 広報なとり 令和7年9月1日号
◆特別救助隊
◇より困難な状況にも立ち向かう精鋭たち
特別救助隊は、隊長を含め15名で組織される部隊です。交代制の勤務で、市内で救助を必要とする全ての事故に出動します。
救助を必要とする事故には、火災、交通事故、建物の閉じ込め、水難事故、土砂災害、ガス漏れや酸欠、転落事故などがあり、これらの救助要請に対応するため、救助資器材を積載した「救助工作車」を運用して市内全域に出動するのが特別救助隊の主な任務です。
特別救助隊のもうひとつの業務として「救助訓練」があります。ロープを使って垂直の壁を降りて救助に向かう、重量物に挟まれた要救助者を救出する、マンホール内で発生した酸欠事故の救助など、多種多様な事故を想定して訓練を行います。実際に海などに出向いて訓練することもあります。
そんな精鋭たちを率いる特別救助隊の小野寺隊長にお話を伺いました。
▽この仕事で誇りに思っていることや嬉しかったこと
災害が発生したとき、我々は市民の皆様の安全安心を担う最後の砦だと自負していますし、それが誇りでもあります。
過酷で危険な現場に入ることもあり大変な仕事ですが、現場で困っている人が我々の姿をみてホッとした顔をしてくれたり、活動後に「ありがとう」と言われた時はうれしい気持ちになります。
▽職業柄、日頃から気になってしまうこと
危険に対して敏感で、非番の日でもちょっとした危険要因も無意識に探してしまいます。もちろん危険の前兆を見つけたときは、少しでも事故や災害が少なくなるようみなさんに声掛けをするようにしています。
▽名取市消防本部の職場環境について
名取市消防本部は職員の仲が良いので、職場の雰囲気がすごく良いです。大変な現場や作業もありますが、お互いに助け合って日々の職務に当たっています
■緊急消防援助隊
◆広域災害に備える消防ネットワーク
緊急消防援助隊は、大規模災害が発生した際に、消防庁長官の指示により全国から被災地へ派遣される消防部隊です。東日本大震災では、本市にも全国から緊急消防援助隊が駆けつけ、長期にわたる活動支援をいただきました。
名取市消防本部では消防隊3隊、救急隊1隊、後方支援隊1隊の計5隊を登録しており、災害状況に応じて派遣されます。
これまでも、平成28年の岩手県岩泉町での土砂災害、平成30年の北海道胆振東部地震、最近では大船渡市の林野火災への出動実績があります。
緊急消防援助隊の特徴的な部隊として「後方支援隊」があります。被災地への派遣となるため、宿泊するテントや寝袋、炊飯器具などを搬送し、現地で宿営地を設置・運営するなど、活動部隊を支える役割を担います。
将来の大規模災害に備え、全国の消防本部が、常に出動できる体制を整えています。
◆総務課
◇消防署を支える〝縁の下の力持ち〞
現場を裏から支える〝縁の下の力持ち〞、現場経験豊富なメンバーが、現在は日勤業務を中心として組織運営と施設管理、そして消防団事務を担っています。
▽消防本部総務課の仕事について
・当直の交代要員として、必要に応じて現場に出動することもあるので、体力づくりは欠かせません。
・消防職員は宿直の仕事もあり、職場は第二の家。現場から戻ってきて少しでもリラックスして体を休めることができる環境を整えたいです。
・現場を知る立場として、今は裏方から支えることにやりがいを感じています。
現場の隊員たちが全力を尽くせるように、総務課は消防署の〝屋台骨〞として組織を支えています。
■火災を起こさないために─消防本部予防課の取り組み─
予防課では、火災の予防に関する各種事業を行っています。
▼予防係
予防業務の企画運営を行うとともに、防火意識啓発活動の一翼を担う防災安全協会、防火協力会、女性防火クラブ、幼年消防クラブの企画調整を行うほか、町内会、自主防災組織の防火訓練指導を行っています。
▼建築設備係
建物の設計段階から消防法や建築基準法等の防火に関する規定について審査・指導、消防用設備等の検査を行っています。また事業所の防火・防災管理者の選任や消防計画の作成などを指導し、より安全な建物づくりを推進しています。
▼危険物係
危険物施設の火災の発生を未然に防ぐため、消防法に基づき設置・改修から完成までの許認可やガソリンスタンドなどへ立入り、消防設備の管理状況など火災予防上の観点から検査を行い不備欠陥事項について関係者に指摘し、自主的な改修を促します。