くらし 対談 岩沼市長×「岩沼学び塾」支援員

■育てよう、未来の力。
市長と「岩沼学び塾」支援員が地域による学習支援の可能性を語る。

新企画「cafe talk」は、市内のカフェを会場に、市長がさまざまなゲストと市の施策やまちづくりについて語り合うものです。
記念すべき第1回目は「岩沼学び塾」で支援員として活動する大学生2人をゲストに迎え、小・中学生の学習意欲が高まるきっかけや地域による学習支援の可能性などについて語りました。その様子を本紙と市公式YouTubeでお届けします。

・佐藤淳一(岩沼市長)
・南部ゆららさん(東北福祉大学 1年)
・山田あこさん(宮城教育大学 1年)

▽岩沼学び塾
平成27年度に生徒の自主学習や家庭学習の習慣定着を目的に、市内各中学校でスタート。令和7年度からは、対象を小学校にも拡大。地域の方や教師を目指す大学生が学習支援に当たっている。市公式YouTubeでは、岩沼学び塾の取り組みを紹介するショート動画を公開中です。

◇支援員になった動機や思い
市長:岩沼学び塾の支援員になった動機や思いを教えてください。

南部:大学に学び塾の応募用紙が来ていて、地元に貢献したいという思いがあり参加しました。中学生の頃に学び塾に通っていて、勉強が楽しくなりました。家庭教師や塾の先生ではなく、小学校に実際に出向いて子どもたちと関わることに魅力を感じ、学び塾の支援員を選びました。

市長:学び塾に通って、勉強の楽しさが分かったということですが、どういうところに楽しさを感じたのですか。

南部:やってみると答えが出てきたり、達成感があったりというところです。

市長:達成感については何となく分かります。試験で100点を取った時とかですよね。

山田:私も小・中学生の頃に学び塾を利用していました。小学生の頃は、勉強というより、お兄さんやお姉さんたちに会うのがとても楽しみでした。この先生になら話しても良いかなと思えて、話をするのが楽しかったです。私もそういう存在になりたいです。

市長:勉強だけではなく相談にも乗ってもらい、その姿を見て自分も支援員になったということですね。他の支援員も大学生が多いのですか。

山田:大学生もいますし、地域の方もいます。小学校では、一緒に折り紙をしたり、体育館で遊んだりもします。

◇やりがい、課題と感じること
市長:支援員として活動する中でやりがい、そして課題も出てくると思いますがいかがですか。

山田:子どもたちが問題を解いているときの声掛けのタイミングには悩みます。手が止まっているけれど、まだ考えている可能性もあるし、本当に分からなくて止まっている可能性もあるし。まだタイミングがつかめていませんが、周りの先生たちを参考にして頑張っています。

市長:難しいですよね。途中でも声を掛けてもらった方がいい子もいるし、そうではない子もいる。そこは経験しながらタイミングをつかめるようになるといいですね。

南部:子どもたちから「分かった、楽しい」「次のテストは点数が取れるかも」などと言われた時は、すごくやりがいを感じます。逆に勉強以外の話に夢中になって学習時間が短くなってしまったり、高学年になると少しよそよそしくなったりもするので、子どもたちとの距離感が難しいと感じることもあります。

市長:勉強以外の話になるということでしたが、勉強の話だけだと、本音を出してくれなかったり本当に悩んでいることを言えなかったりするので、そういう話をすることは大事だと思います。確かに学び塾なので、学んでもらいたい、けれども、話もしたい、そこのバランスが難しいですね。

◇地域による学習支援の可能性
市長:とても難しいテーマですが、いかがですか。

南部:小・中学生に限らず、学ぶということにおいては「興味を持つ」ことが大切だと思います。いろいろなことに興味を持つとそこからつながって、幅広い視野で物を見ることができます。ひとつのきっかけとして、地域でのイベントなどが良いと思います。岩沼市には山も海もあり自然が豊かなので、その環境を生かして自然を使った取り組みなどがあると体力向上にもつながるかもしれません。

市長:そうですね、何が自分に合っているか分からないので、いろいろなものに興味を持ってみると良いですね。学び塾でも、子どもたちが興味を持てるような学び方ができると良いですね。
また、社会に出たらさまざまな場面でチームで力を合わせて取り組むこともあれば、個人で取り組むこともあります。学び塾は、せっかくみんなで一緒に学んでいる場なので、協力することの大切さや、あなたの意見も大事だけどみんなの意見も大事だということをしっかり教えることも大切だと思います。

山田:地域にはいろいろな背景を持った子どもがいるので、周りの人がそれぞれの立場から声を掛けてあげることが大切で、そこが地域教育の力が発揮されるところだと思います。塾に通っている子もいれば、そうでない子もいます。
そういう面で、学校以外の人から学ぶ貴重な機会である学び塾は、とても良い取り組みで、今後はもっと開催の頻度が増えたら良いと思っています。保護者も、市や学校で行っているものなので安心して子どもを預けられる面もあります。活動の幅を広げてほしいと思いますし、私もそれに貢献していきたいです。

市長:お2人の声に応えられるように、市としてもしっかり取り組んでいきます。学びたくても学べない子に対して環境を作ることもですが、もっといろいろなことをやってみたいという子の興味の幅も広げられるような、どちらか一方だけではない、全体が良くなるような取り組みを進めていきます。それが、勉強にもつながっていくと思います。お2人には、ぜひそのサポートをよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

《今回のカフェ》
「竹駒の杜CAFÉ 一粒万倍」
住所:稲荷町1-1 竹駒神社境内
電話:23-0309
営業時間:10:00~17:00(季節により変動あり)
ラストオーダー:
・お料理…閉店1時間前
・ドリンク/スイーツ…閉店30分前
休業日:不定休

◇竹駒稲荷お参り御膳(一口甘味付き)1,980円
竹駒稲荷をイメージしたオリジナルの「一粒万倍いなり」を中心に、地元の名物や色とりどりの惣菜、ゲン担ぎの食材を織り交ぜた、華やかで縁起の良い御膳。

◇一粒万倍パフェ(1日20食限定)1,320円
色鮮やかな手毬麩や、三色団子、きつねや鳥居の形をした可愛らしいクッキーをトッピングし、見て楽しく、食べておいしい、福々しいスイーツ。

竹駒稲荷お参り御膳と一粒万倍パフェはどちらも「一粒万倍みくじ」付き。

※詳細は、本紙P.3をご覧ください。