くらし 【出番です】うわぁ来た!とドキドキ

■加藤益弘(かとうますひろ)さん(汐)
はまのおもちゃ病院院長・ドクター

8年前に町社会福祉協議会が立ち上げ、現在8名が主に子育て支援センター、親子すまいるフェスタやお正月のあそぶさございんのイベントで活動しています。もともと私は車の洗車機のエンジニアでした。工作は小さい時から好きだったね。小学生の時、木の自動車を自分で作って夏休みの工作として出しました。みんなは買ってきて組み立てるだけだったけれど、それでは面白くないからね。タイヤ以外は一から加工して三輪自動車を作ったよ。
おもちゃを治すのは、子どもの頃の血が騒ぐということもあるかもね。ドクターになる人は、小さい時から興味がある人が多いかな。
おもちゃは、普通の家庭でも治せるんですよ。持ち込まれるおもちゃの多くは、電池を入れっぱなしにして腐食したり、さびたりして電気が流れなくなるか、線が腐って切れるかなんですよ。動くおもちゃはだいたい線が切れている場合が多いね。
親子すまいるフェスタでは、18個のおもちゃが持ち込まれました。現場で治せるかどうかの違いはあるけれど、ほとんどは治せます。オルガン、ピアノなどの子ども用のおもちゃだったら、小さい楽器やパソコンも治します。
いろいろなおもちゃがくるから、合う部品がない時は一時預かりの“入院”。あとから部品を買ってくる(部品代金をいただきます。)か、古い部品を再利用します。
木のおもちゃは、最初から壊れ具合がわかるから一番簡単です。機械仕掛けのおもちゃは、一から部品を作る場合もあります。歯車も作りますよ。ゼンマイ式のおもちゃはさびてダメになるからほとんど使えないんですよね。
おもちゃは、古いものより電気機器が入っている新しいものが壊れやすいね。部品を調達するために、粗大ごみが出る日の集積所に手伝いがてら出かけるんです。電気機器をばらして必要な部品を確保しておくんですよ。
修理に苦労したおもちゃもいっぱいあります。小型のコンピューターが入っているものは、封印されていて開けることさえできない。でも、ほとんどが配線が原因なので、だいたいは治せます。コンピューター類の修理は無理ですね。今のおもちゃは、そういうのが多いから難しくなってきているんですよ。

◇大喜びする笑顔がたまらないですね。
一番喜ばれるのはその場で治した時ですね。入院となると喜びが半減するんでしょうね。イベントの時などは、治るか治らないか心配しながら、じーっと見ている子もいます。目の前で治り、びっくりしながらも大喜びする笑顔がたまらないですね。男の子はリモコンの車、女の子はお人形さんが多いかな?
おもちゃ病院のドクターは、一見どこが壊れているのかわからない場合、一つずつばらして基本的なところから調べていきます。
縫いぐるみだったら、部品を取り出し、戻すときに縫うこともしなきゃいけない。部品を治すだけじゃなくて、裁縫など全般的な技術も必要なんです。その辺が難しいんですよね。
私は85歳、そろそろかなぁと思いつつも、どんなおもちゃが来るかわかんない。うわぁ来た!とドキドキしながら楽しくやっています。

○ただ今、ドクターになりたい方募集中。女性も大歓迎です。
問合せ:町社会福祉協議会
【電話】349-7781

○おもちゃの修理に関しては、はまのおもちゃ病院のホームページをご覧ください。
※広報紙P.6に二次元コードを掲載しています。