くらし 町長コラム ベア・パル

■利府中学校の新しい弓道場
弓道場の建設に踏み切ったのは利府中学校の弓道場があまりにも古く、老朽化し、建築物として倒壊の危険があり、さらにヘビやスズメバチなどの危険生物とも生徒が対峙しなければならず、狭く、少々暗くなると、矢が見える明るさも確保できず、部員も50名を超え、長弓をもって接するので密になりがち、さらには昨今の気候変動のため暑さ対策が急務であるにもかかわらず、エアコン設置などは物理的に不可能であった等、多くの理由からです。
新弓道場は、将来の部活動地域移行や一般開放、鈴木大地元スポーツ庁長官にご教示いただいたインバウンド向けの武道ツーリズムなども視野に入れ設計をしていたのですが、現況の場所は履歴を調査すると法律上そぐわない建築物であることが発覚いたしました。そもそも、現状復旧では多くの部員を収容する道場を作ることができず、弓道人口の伸びも加味いたしまして、より広く、そして中総体をはじめ、各種大会が開催できる規模として、中学校向かいの町の所有する土地に移転、建築する事に決めました。
お陰様で伝統ある利府中学校弓道部にふさわしい、大変立派な道場がお目見えいたしました。落成式当日には、伊達印西派弓術研究会の皆様に格式ある演武と儀式を執り行っていただき、将来の弓術文化の隆盛を占う柿落としになりました。この弓道場を核として、文化施設リフノスで楽しんだり、買い物もできたり、駅も近くにあったりと、周辺施設の「点」同士を「線」で結び、施設の相互利用、または異世代間の交流にも活用できます。地域スポーツの先進国ドイツで実践されているスポーツをとおしたコミュニティ作り「シュポルトフェライン」に繋がる試みができそうです。弓道は仁者へ通じる道ですから、子どものみならず大人も稽古する事で心の修養となります。いずれにせよ、どういった形態でも日本文化の真髄である弓文化を楽しみながら、かつ熱心に体験できる道場が完成した事を、私は大変誇りに思うのです。
予算不足のため、外構部分にはまだ課題が残っておりますが、その分、安全面に関して相当量の配慮をいたしました。外構面などは、徐々に揃えて参りたいと思います。一般開放は今夏の中総体が終了してからになりますが、多くの弓引きの皆様、そして弓道に興味のある方、体験してみたい方々にご来場いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

利府町長 熊谷 大(ゆたか)