くらし 町長日記抄

全県500歳野球において、井川町名球会OBが準優勝に輝いた。惜しくも優勝は逃したものの、強豪チームを立て続けに破り決勝進出。出場31回で、これまでの最高成績がベスト16のはず・・・ということなので堂々たる成績だ。この結果には、関係する皆様の喜びもひとしおだろう。本当におめでとうございます。
開幕してから試合結果が出るたびに、多くの人から「井川の名球会、勝ってるね」と声をかけられ、大会が終わってからは「井川すごかったな」とのお言葉をいただいた。正直言って、こんなに大会結果を見ている人が多いのかと、びっくりするほどで、私に対しても声がこれほどなら、出場した選手には、どれほど賞賛の声が届いているのだろう。
500歳野球は、その名の通り、選手登録が50歳以上で、試合に出場している9人の合計年齢が常に500歳を超えていなければならないというユニークなルールの大会だ。今大会の参加チームは182。今夏の高校野球の地方大会で、最も参加チームが多かったのが愛知県の173、秋田県は36であったから、比較をすると、この500歳野球がいかに大きい大会であるかわかる。
大会は平日に行われるため、仕事の合間を縫って、あるいはこの時期の秋田の農家にとって最も大切な稲刈りの手を休めて、グラウンドに駆けつけた選手も少なくなかったと聞く。雨による順延で調整がつかず、選手のやりくりも大変だったことだろう。何より毎日の試合による疲れで、体はボロボロだったはずだ。それでもなお、老骨に鞭を打ちながら、仲間と共に、勝利を目指し、野球を楽しめていることが、羨ましくもあるし、野球というスポーツへの情熱を燃やし続けていることに、ただただ頭が下がる。
年齢や日々の忙しさの中でも、好きなことに真剣に向き合うことが、いかに大事か。続けることの難しさを知っていればなおのこと。井川町名球会0Bの活躍を見て、生涯を通じて情熱を燃やし続ける何かを見つけられたらと思ったのは、私だけではないはずだ。