くらし 特集 みんなで本を読もう(1)

■読んで広げる新しい世界
特集 みんなで本を読もう
50年以上続く おはなし会のあゆみ

考える力や表現する力などを育むうえで、大きな効果を与える読書。公益社団法人全国学校図書館協議会が実施した〝学校読書調査〟によると、小学生から高校生までの約9割の子どもたちが「本を読むことは大切である」と答えています。
一方で、1カ月間に1冊も本を読まなかった子どもの割合は、学年が上がるにつれて増えていることも、同調査で明らかになっています。
今回の特集では、子どもたちの読書習慣づくりに向けた町の取り組みを紹介。併せて、昨年50周年を迎えた町のおはなし会の歴史を振り返ります。

○デジタルで貸し出し可能に
現在、町立図書館では本を貸し出す際に、専用の図書カードをご利用いただいていますが、今後マイナンバーカードや電子カードもご利用いただけるようになります。詳細は決まり次第、本紙などで紹介します。

◆子どもたちに本への親しみを
町では〝朝日町子ども読書活動推進計画〟を策定し、行政・保育園・学校・地域と連携を図りながら、子どもの読書活動の推進や読書に親しむ機会の提供や環境の整備に取り組んでいます。
年齢に応じた主な取り組みや施策は次のとおりです。
乳幼児
・健診などに合わせた、読み聞かせやブックリスト・絵本配布の実施(ブックスタート事業)
保育園児
・園内にある図書コーナーの充実
・町立図書館の本を活用した保育士による読み聞かせの実施
・関係機関や保護者などに向けた町立図書館の新刊情報の周知
小・中学校
・読書習慣の定着に向けた学年ごとの読書量の目安設定
・図書担当教諭および読書活動推進員※と子どもたちが協力した図書館運営の推進
※読書活動に向けた指導や助言をする人材。平成27年度より配置
・子どもたちのニーズを取り入れた新刊図書の購入

Topic1:本を読むと高まる 非認知能力
“非認知能力”とは、他者の感情を把握したり、自分の感情をコントロールしたりする力のこと。独立行政法人国立青少年教育振興機構が行った研究※の結果では、子どもの頃の読書量が多い人はこの能力が高い傾向にあるとされています。読書は社会生活に必要な能力を鍛えることにも役立つのです。
※子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究

Topic2:読みたい本が自由に読める環境を “宗生(そうせい)文庫”基金
町では、町内3小学校全ての児童が1年に1冊、自分の好きな本を購入しています。
この取り組みには平成29年3月に創設された“宗生文庫”基金が活用されており、町名誉町民である故阿部宗一郎氏からの寄付金1,700万円が財源となっています。「読みたい本が自由に読める環境を子どもたちへ贈りたい」という阿部氏の思いは、基金創設から現在に至るまで子どもたちの読書活動に大きな影響を与えています。