くらし 副町長室から

副町長 小関 啓幹

■語り継ぐことの大切さ
今夏、猛暑が続いた一方、線状降水帯による大雨などで、全国各地で浸水被害や土砂災害が頻発しました。被災地の皆様には改めてお見舞いを申し上げます。
当町においても、過去、4から5年に1回程度の割合で洪水が発生してきたと「金山町史」に記されています。昭和50年の県北豪雨以降、神室ダム整備などの備えも進みましたが、昨年7月の豪雨災害などもあるように、油断することはできません。
内閣府の世論調査(令和4年9月)では、「ここ1~2年の間に自然災害について家族や身近な人と話し合ったことがある人」は61.4%にとどまり、「防災訓練に参加したことがある」と答えた人はさらに少なく43.6%となっています。当町では今年度の防災訓練参加率は約5割強と若干高いものの、これでも十分とは言えません。
防災知識はメディア等からいくらでも得られる時代ですが、いかに「ひとごと」とせず「わがこと」として捉えられるか-この「危機意識」が災害時の判断・行動を左右します。
私自身、県庁で危機管理課在籍時、危機意識を高めることの難しさを強く感じていましたが、災害を実体験できない以上、身近な人から体験談を聞くことが意識向上の大変有力な手段であると考えています。
「おわちゃっこいどき、ほごまで水が上がってきたんよ」「あんどぎ道路くずって、こご通らんねくて、ぐるっと回んねんねがったんよ」例えばお孫さんとかわすこんなやりとりが、身を守る「命綱」となっていくのではないでしょうか。
「防災の秋」、身近な方々に「地域の知恵」を語り継いでいっていただきたいと強く願います。