- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県福島市
- 広報紙名 : ふくしま市政だより 令和7年9月号
■第84回「東口再開発の基本設計」
今回は、今月号に掲載の東口再開発の基本設計についてお話しします。
基本設計に当たり、市内外から人が集まる駅前の顔らしい施設にすること、催し物などの主催者・利用者に選ばれる施設にすること、市民等の意見を取り入れながら、コストを抑制するということに特に腐心しました。
珍しい雁行(がんこう)型のフレキシブルホールの上に屋上広場が連なる外観や民間エリアの外装は、斬新でシンボル性が高いデザインになったと思います。ホールと民間エリアの間には、相互の雰囲気を感じられる吹き抜けの空間を設け、多くの利用者が通るその空間に「花のまち福島」を感じる工夫を施します。ホールや大屋根の下、屋上広場にも木材や花を多く活用して、自然豊かな「花のまち」をアピールします。
ホールには、多様なサイズのホールや会議室、自由に配置できる観覧席やステージ、思い通りの音がつくれる構造、ホール内への車両の直接乗入れ、照明・音響機器の自由な設置を可能とするグリッドバトンなど、主催者・利用者目線で使いやすいものにしました。
また、雁行型ホールの向きを変え、駅前側に開放的な空間を設けるなど、街なかとより一体的な利用ができるよう工夫しています。
まちなかリビングは、1階は客間、2階は居間、3階はこども部屋のイメージで仕立て、屋上広場と合わせて、市民等が気軽に利用できるようにしました。さらに大わらじ展示を盛り込むなど、市民等の意見をできる限り反映しています。
一方、民間エリアでは、UーNEXT(ユ-ネクスト)系の会社が動画も活用した体験型のフードホールを運営するのに引き続き、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)が県内初のシェアラウンジを出店することになりました。新しい文化・娯楽の先端をゆく両社が進出してくれることになり、ワクワクしています。
このような方向性で、「にぎわい・文化・つながりが生まれる」12のシーン(R6・6の見直し方針参照)を実現するとともに、子育て世代から要望が強い子どもの拠点的遊び場は、こむこむ館の全面リニューアルで対応します。日常的な市民活動の拠点・市民センターなど街なか施設との連携を図り、民間投資を促しながら、まちなか再生を進めていきたいと思います。
今後も、精力的にコスト抑制に努めつつ、年内には全体の概算工事費を算出のうえ、実施設計を進め、令和11年度中の供用開始を目指します。
福島市長 木幡 浩(こはたひろし)