その他 We Love♥ ふくしま!

■第85回「夢」
人は、年を重ねるにつれ、夢は徐々にしぼみ、現実的なものとなってきます。枕に見る夢も、日々の生活に密着したものだったり、幼児期の強烈な経験に基づくものだったり。それだけなら、他愛もないですが、災害や犯罪に遭遇して、将来が見通せなくなる悪夢はご免被(めんこうむ)りたいものです。
一方、子どもたちや若者の夢は、限りありません。夢は、自分で実現していくべきものですが、夢に挑戦する力を育て環境を整えて、後押ししてあげたいと思います。
市では、幼児期から個性を伸ばす教育・保育を導入するとともに、学校と家庭の双方で、自分たちで考えて課題解決をし、生きる力が高まるような教育に取り組んでいます。中学では職場体験で夢を膨らませ、サッカーではプロ、美術では一流画家など、専門的な指導を得られる機会も設けています。
また、夢に向かって海外でチャレンジする中高生を応援。若い世代に限りませんが、起業し新たなビジネスに挑戦する支援も行っています。海外チャレンジの報告発表を聞きましたが、見知らぬ世界にどんどん飛び込んでいく姿は、本当に頼もしく感じました。
夢を実現する方法として有名なのが、大谷翔平(おおたにしょうへい)選手の事例です。大谷選手は、お父さんとの野球ノート、目標達成シートとしての夢ノート、そして高校3年の時には人生設計ノートをつくっていました。そこに共通するのは、目標を書き、またその達成のためには何が必要かを具体的に書き出して、着実に取り組み、検証して改善しながら進める姿勢です。大谷選手の成功は、才能だけでなく、夢を実現するための具体的な目標管理と行動があったからなのです。
子どもたちや若者には、少しでもいいので、大谷選手の手法を取り入れて前進し、簡単に夢を諦めないでほしいと思います。
かく言う私も、野球選手が夢でしたが、大谷選手のような取組はできず、就職後いつしか、東京一極集中の日本で、まちも人も生き生きと輝く地方をつくることが夢となりました。まちも人も輝くような福島での取組を応援していきたいと思います。

福島市長 木幡 浩(こはたひろし)