くらし [ジェンダー特集]多様な性について考えよう(2)

■多様な性を語ろう
県立葵高等学校では、「総合的な探究の時間」に、さまざまなテーマを基に生徒たちが課題を探究する「葵ゼミ」を実践しています。ここでは、今年度の「葵ゼミ」で「多様な性」をテーマに選んで学んだ2人に、それぞれの思いを聞きました。
荒明優花(あらあけゆうか)さん2年
田中花音(たなかかのん)さん2年

▽多様な性をテーマに選んだ理由を教えてください
田中さん:LGBTQ+の出前講座を受けて興味をもちました。その講座の中で、LGBTQ+の当事者がなかなか社会に受け入れてもらえないという話を聞いて「それは違う」と思ったんです。
荒明さん:ニュースで「公共の場ではトランスジェンダーが我慢をするべき」というコメントがあるのを見て、違和感をもったのがテーマを選んだきっかけです。

▽性的マイノリティに対する差別を感じる瞬間はありますか?
荒明さん:テレビで出演者が差別用語を使っていたり、カミングアウト*した当事者への否定的な意見を目にしたりしたときです。
田中さん:私もインフルエンサーでトランスジェンダーの当事者がSNSで悩みを発信しているのを見ると悲しくなります。
*カミングアウト…自身の性自認や性的指向をほかの人に打ち明けること

▽どんな社会になってほしいですか?
田中さん:今の子どもたちは、多様な性があることを知る機会もあるけど、知らずに育ち、大人になってから知った人の考えというのは、なかなか変えられないと思うので、子どもたちには早いうちから身近にそういうことを知る機会があるといいなと思います。
荒明さん:例えば持っているモノを「かっこいい」や「かわいい」と褒めるのではなく、「あなたに似合っているよ」と声を掛けられる社会になってほしいです。性別ではなく、その人本人を褒められるような。そのために「そうした方がいいよ」と声を掛けるのではなく、自分から進んで発信していきたいです。

◆~Interview~聞かせてください、あなたの思い
「知る」ことの大切さ
川南小学校養護教諭 本名千尋さん
多様な性があることを知らずにいることで、悪気が無くても人を傷つけたり、遠ざけてしまったりすることがあるかもしれません。知らないことを受け入れることは難しいですが、「知る」ことで「人はみんな違っていて当たり前」と受け入れ、認め合うことができるのだと思います。ただ、多様な性があることを知識として知っているだけではなく、性的マイノリティに対する偏見や差別は「絶対に許されない」という雰囲気や環境を作ることも重要です。そのためにも、私たち教員自身が学び続け、人権感覚を身に付けていかなければならないと思います。
少しずつ理解が進み、浸透してきていると思いますが、まだまだ安心してカミングアウトできず、生きづらさを抱(かか)える当事者がいると思います。カミングアウトしなくても、誰もが生きやすい社会になればいいですね。

■SOGIハラスメントを知っていますか
ストップ!SOGIハラ

◆SOGIハラって何ですか?
SOGIに関連した差別的な言動や嘲笑(ちょうしょう)、いじめや暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせを「SOGIハラスメント(SOGIハラ)」といいます。

◆これってSOGIハラ?
SOGIを理由としたいじめや無視、暴力はもちろん、「同性愛は理解できない」「あの人は『あっち系』だ」という会話もSOGIハラです。
また、SOGIを理由とした入社拒否や異動・解雇などの不当な扱い、許可なく第三者にSOGIを伝える「アウティング」も絶対にやめましょう。

▽こんな言動、していませんか?
・性的マイノリティの人を差別したり、揶揄(やゆ)したりする言葉
「LGBTQ」って理解できないそんな人、本当にいるの?身近にはいないよね
「ホモ」「おかま」「オネエ」「ニューハーフ」「あっち系」
・性のあり方を決めつけたり、女性(男性)らしさを押し付ける発言
男性は、妻と子どもを養うべきだ 女性は出産してこそ一人前
何で彼氏(彼女)いないの?
※多様な性があることを前提に過度な詮索は控えましょう
・誰かの性のあり方を、本人の同意なく第三者に話す
あの人、ゲイなんだって
トランスジェンダーであること、課長に伝えておいたよ
※「良かれと思って」や「ここだけの話」だとしても、絶対にやめましょう

◆SOGIハラをなくすために
性のあり方はさまざまで、自分の性のあり方を決められるのは自分だけです。1人ひとりが理解を広げ、「SOGIハラは絶対にダメ!」という行動を取りましょう。

▽あなたにできること
・止める・注意する
SOGIハラに気付いたら、注意をしたり、話題を変えたりしましょう。
・報告する
学校や職場でSOGIハラを見かけたら、ハラスメント窓口などに報告しましょう。

◆ひとりで悩まないで
性別の違和感や同性愛、カミングアウト、SOGIハラなどに悩んだときは、ひとりで悩まず相談してください。
相談先:よりそいホットライン
【電話】0120-279-226
※24時間相談可能