文化 会津若松市デジタルアーカイブ

会津図書館では貴重な所蔵資料をデジタル化して公開しています。その中から懐かしい風景などを紹介します。

■今回、紹介するのは「三方道路(さんぽうどうろ)記念碑(会津新道碑)」
1882(明治15)年2月、三島通庸(みしまみちつね)が福島県令(現在の福島県知事)として着任しました。「土木県令」とも呼ばれていた三島が主導となり、同年8月から大町四ツ角を起点として山形県、新潟県、栃木県の3つの県に通じる三方道路工事が開始されました。工事従事者は延べ約82万5,000人、総工距離は約208kmとなるほどの大工事でしたが、起工からわずか2年後の1884(明治17)年8月に全ての道路が完成し、同年10月27日に開通式が挙行されました。その後、1886(明治19)年8月に道路開通を記念して、高さ約267cmの青銅製の「会津新道碑」が大町四ツ角に建てられました。なお、この記念碑に刻まれる文章を作った撰文(せんぶん)者は、旧会津藩士で東京帝国大学教授を務めた南摩綱紀(なんまつなのり)です。
国家総動員法に基づく「金属類回収令」が1941(昭和16)年に施行されたため、1944(昭和19)年3月24日に阿弥陀寺の大仏とともに、記念碑も供出(きょうしゅつ)されました。残された台座は、1962(昭和37)年12月に七日町駅開設15周年を記念して駅舎前に建てられた「七日町駅開設記念碑」の台座として使われています。

問合せ:会津図書館
【電話】22-4711