- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県喜多方市
- 広報紙名 : 広報きたかた 令和7年11月号 No.239
喜多方市 地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」
医師 武田 仁
■足の水虫予防のために
みなさんこんにちは、今回は水虫の話です。水虫は医学的には足白癬と呼ばれ、白癬菌というカビによって起こる皮膚感染症で、足の指の間の皮がむけたり、小さな水疱ができることが特徴です。足白癬を放置すると、増殖した白癬菌が足以外の場所に移ったり(体部白癬、たむし)、足の皮膚が弱って細菌が侵入しやすくなり、蜂窩織炎などの細菌感染症を起こすこともあります。
白癬菌などのカビは温かく湿った場所を好むため、安全靴や長靴など、密閉性の高い靴を長く履く方に水虫はよく見られますが、最近はスポーツ競技者の水虫が注目されています。欧米での調査では、陸上・水泳競技者の1〜2割に足白癬がみられ、しかもその一部は皮膚に全く変化がみられないのに白癬菌が棲みついている「オカルト足白癬」だったとされています。
水虫の治療で大事なことは、それが本当に水虫なのか顕微鏡で確認することです。特に暑い時期には、汗の刺激で手足の指の周りに小水疱が生じる「汗疱(かんぽう)」という病気も増えます。汗疱などの皮膚炎と水虫の治療には全く異なる薬が使われるので、この二つを鑑別することはとても大事です。
水虫になりやすい方は、なるべく裸足で過ごす時間を長くして、サンダルのように通気性のよい靴を履くことがおすすめです。靴下が必要な場合は、五本指の靴下を履いて指と指が密着しないように工夫するなど、温かく湿った場所を好む白癬菌が増えない工夫をすることが大事だと思います。
