くらし Q(キュー)ちゃんの、つぼくら先生! 放射線のこと教えてコーナー

Qちゃん:市内に住む小学生
つぼくら先生:相馬中央病院医師 福島医大主任教授

■これからの山菜やキノコはどうかな?
Qちゃん:福島第一原子力発電所事故から10年以上経っているのに、山菜やキノコから放射性物質が高く検出されるのは、どうしてなのかな?

つぼくら先生:山菜やキノコから比較的高い放射性物質が検出されるのには、次のような理由が考えられるよ。
(1)事故によって放出され、森林に降った放射性物質の大部分が流出することなく森林の土壌に残ってしまっていること。
(2)森林の土壌は、肥料などを施して耕作を行う農地などに比べて、カリウムなどの養分が少ないことから、放射性セシウムを吸収しやすい条件にあること。
(3)山菜やキノコはもともとミネラルが豊富でセシウムを吸収しやすい性質を持っていること。

Qちゃん:じゃあ山菜やキノコを採った後に放射性物質を取り除くことはできないの?

つぼくら先生:調理や加工するときの工夫によって少しは放射性物質の量を減らすこともできるけど、完全に取り除くことはできないんだ。

Qちゃん:そうなんだ。じゃあ山菜やキノコを安心して食べるには、どうしたらいいのかな?

つぼくら先生:手間は掛かるけれど、収穫後や調理して食べる前に放射線量を測って確認してから山菜やキノコを食べるか判断するといいよ。

Qちゃん:うん、わかった。測ってから食べるようにするね。先生ありがとう。

参考資料:
・小松雅史・清野嘉之(2021)「きのこと山菜の放射能汚染についてわかったこと・今後の見通し」(『森林科学』91)
・環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和5年度版)」

○調理の過程で放射性物質の低減が可能

※野生のものは大量に食べない。

■今回Qちゃんが分かったこと
・調理や加工では全ての放射性物質を取り除くことはできないこと。
・山から採ってきた山菜やキノコは市役所などで放射線量を測ってから食べた方が安心できること。

問い合わせ先:放射能対策室
【電話】37-2270