- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県昭和村
- 広報紙名 : 広報しょうわ 令和7年9月号
9月1日は関東大震災が発生したことから、防災の日と制定されており、今回は防災に関連した特集をご紹介します。
■はじめに
私は、福島県中通りに位置する三春町から昭和村へきました。2011年3月11日、私は小学校6年生で卒業式が控えていたため、学校が午前中で終わり、自宅に母親と2人でいました。そんなときに、東北地方太平洋沖地震(通称:東日本大震災)が発生しました。私の住んでいた地域では、震度5強の揺れを観測しました。とても強い揺れで、家の中にはいられませんでした。ご近所さんも外へ避難していましたが、瓦屋根の家屋については、瓦が道路に落ちているところもありました。
しばらく余震が続き、小さな揺れでも怯え、何回も外へ逃げたことを今でも覚えています。余震が落ち着きはじめてから、食料品や消耗品を買いにコンビニやスーパーへ足を運ぶと、商品棚にはほとんど何もない状態で唖然としていました。
隣町の郡山市では電気や水道といったインフラの供給が止まってしまい、復旧に時間がかかっていました。幸いにも私の住んでいる地域では、インフラの供給が止まることはありませんでした。
当時は防災セットを備えておらず、もし、生活の基盤となる電気や水道の供給が止まっていたら、と考えると身の毛もよだつ思いです。
このような経験があることから、「いざ」という時のために、備えが必要だと感じ防災グッズを揃えつつ、本特集を作成し、皆さんに発信しようと思いました。
■「いざ」という時の備え
私が、災害が発生した時に備えたものを皆さんにご紹介します。
この写真のとおり、緊急時に使える防災セット30点がリュックの中に入っています。このリュックを家の決まった場所に置いておき、災害時にすぐ取り出せるようにしています。
また、この他にも非常食も用意しています。賞味期限が5年と長く、賞味期限が近づいてきたら消費して、新しく買い足していく予定です。また、私は、よくキャンプをすることもあり、災害時に役立つものとして、LEDランタンやガスコンロ等を常備しています。災害が夜に発生し、停電になった場合、避難する際は足元が暗く危険なため、光源となるLEDランタンを常備しておけば安心して避難できますし、周囲に自分が安全だと知らせることにも繋がります。また、LEDランタンは周囲を照らすだけでなく、ものによっては、スマホの充電も可能です。
■ハザードマップの活用
現在、各ご家庭に「ハザードマップ」が配布されておりますが、皆さんは目を通したことがありますか。
ハザードマップは、災害時に避難場所や経路の確認、土石流、急傾斜、地すべりの区域となっている箇所を把握するための大切な地図です。災害が起きてからハザードマップを確認していたら、避難に間に合わなくてなってしまう可能性があります。今のうちから、再度確認しましょう。
※ハザードマップは、村ホームページにも掲載されていますので、こちらのQRコードからご確認ください。
※QRコードは本紙参照
■防災アプリの活用
昭和防災アプリは、既にお持ちのスマホやタブレットにダウンロードしている方がいるかと思いますが、こちらも併せてご紹介します。
屋外にある拡声器や宅内にあるFM告知機でお知らせしている防災無線の内容をアプリに文字として記録され、聞き逃した際にも内容を再確認することができるアプリです。通常の防災無線と合わせて、警報が発令されたときにも自動で送信されます。今後、新しい機能も追加される予定です。まだ、ダウンロードがお済でない方は、この機会にダウンロードしてみてください。
※当アプリの「リンク集」一覧からもハザードマップにアクセスできますのでご確認ください。
■おわりに
近年、地震や大雨といった自然災害が多く見受けられます。
もし、会津盆地西縁断層帯が震源地となった場合、本村でも最大震度5強、と予想されています。(福島県防災ウェブ 「福島県地震・津波被害想定調査結果について」より)
もちろん、災害は地震だけではありません。台風や線状降水帯発生による大雨の影響で土砂災害や洪水氾濫なども想定されます。そういった災害時に、防災グッズを備えていないと、生活維持の困難、生命の危険に陥る場合もあります。防災グッズをすべて揃えなくても、非常食や飲料水だけでも備蓄することで最低限、生命維持活動を守ることができます。
東日本大震災当時、地震続きの毎日だったため、私は、良くも悪くも地震に対して「慣れ」てしまいました。そのため、震度3程度の地震でも「どうせ大丈夫だ」と自分に言い聞かせてしまっており、災害に対する危機意識が徐々に薄れているのだと、本特集を作成時に感じました。
「備えあれば憂いなし」という言葉があります。日常生活や仕事をしていく上でもよく使う言葉ではありますが、私にとっては災害のための言葉だと思っています。この特集を作成していなかったら、防災に対する意識がなかったかもしれません。災害はいつどのようにして起きるかわかりません。皆さんもこの機会に防災グッズを揃えてみてはいかがでしょうか。(田中)
※画像など詳しくは本紙をご覧ください。