くらし 市町村財政比較分析表 令和5年度普通会計決算(2)

■分析欄
◇財政力指数
広野IGCC火力発電所をはじめとする固定資産税の償却資産分が3.43%減少したことにより、基準財政収入額が前年比8.6%減少したため、財政力指数は単年度で0.15ポイント減少したものの、3か年平均では0.12ポイント上昇した。大規模償却資産については、今後、逓減が予想されるため、町勢振興計画の後期基本計画に沿った施策を重点的に執行しつつ、行政の効率化に努めることにより財政の健全化を図る。

◇経常収支比率
広野IGCC火力発電所をはじめとする固定資産税の減収により経常一般財源が前年比3.3%減少したことに加え、経常一般財源を充当した経常経費が1.9%増加したことにより、経常収支比率が3ポイント上昇した。今後、固定資産税は毎年大きく減少することが予想され、比率は増加していくことが見込まれるが、すべての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事業については、計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減に努める。

◇ラスパイレス指数
福島県人事委員会勧告に基づき給与改正を実施しているが、技術職の任期付職員の採用などにより本年度のラスパイレス指数は0.4ポイント上昇し98.7となっている。
ラスパイレス指数が類似団体の平均を上回る要因の一つには、東日本大震災および原子力災害からの復興・創生期間における事業などの対応が、人員不足の状況下で必要となるため、昇給停止などを実施していないことがあげられる。

◇実質公債費比率
標準税収入額などが広野IGCC火力発電所をはじめとする固定資産税の償却資産分の減少により、単年度実質公債費比率は前年度と比べ0.4ポイント減の4.84278%となった。3か年平均では0.7ポイント減となっている。今後は広野IGCC火力発電所に係る固定資産税が逓減することが見込まれることに伴い、復興関連事業のための地方債の負担が上昇することが予想される。事業の緊急性・必要性を的確に見極め、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

◇将来負担比率
分子となる地方債現在が減少したことに加え、分母となる財政調整基金の積立による充当可能基金の増加により、前年度と同様に将来負担額よりも充当可能財源が上回る結果となった。今後は復興・創生期間における事業に伴う基金の取崩しによる比率の上昇が見込まれるため、新規事業の実施について総点検を図り財政健全化に努める。

◇人口千人当たり職員数
本年度は前年度と比較して0.02人増加している。要因としては、職員数は同数であるが、人口が64人、1.4%減少したためである。また、令和2年国勢調査により類型が異動し、類似団体の中では人口が少ないため、類似団体の平均を大きく上回る結果となった。東日本大震災および原子力災害からの復興・創生期間における事業などに対応するため、定員管理としての職員採用抑制は難しい状況にあるが、任期付職員の採用や再任用制度を活用して定員管理に努める。

◇人口1人当たり人件費・物件費など決算額
人件費、物件費、維持補修費の決算額が114,000千円増加したことにより、前年度比29,037千円増加した。また、令和2年国勢調査により類型が異動したが、類似団体の中では、人口が少ないため類似団体の平均金額を大きく上回る結果となった。これは原発事故に伴う環境放射線モニタリング事業などの復興事業が継続していることが要因となっている。今後は、新たな復興・創生期間における事業の選別化・行政コストの削減を図り、財政健全化に努める。