くらし 一陽来復

令和7年の新春を迎え、議会を代表して謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
昨今のエネルギー価格の高騰をはじめとする物価の高騰は、東京電力福島第一原子力発電所の事故によりふるさとを離れ避難を継続されている方、町内で生活されている方、どちらの町民の暮らしにも大きな影響を及ぼしていることと存じます。特に、復興インフラ整備途上にあるわが町にとって、原材料費の高騰は大きな問題であります。町内の生活環境整備や町民の皆さまを支える各種生活支援策などについて復興を成し遂げるまでご支援いただけるよう、今後も国・関係機関にしっかりと働きかけてまいります。
昨年の11月30日、中野洋昌国土交通大臣が来町され、双葉町産業交流センターの屋上から町の状況を視察いただきました。その際、屋上から改めて町を一望し、令和2年10月の双葉町産業交流センター開所以来、復興産業拠点を中心とした中野地区の変化を実感いたしました。JR双葉駅の周辺も、双葉町役場本庁舎の開所や駅西住宅の全戸完成により大きく変化しており、商業施設の整備や町コミュニティーセンターの改修などによりこれからも状況が大きく変わっていくことと思います。
一方で、双葉町特定帰還居住区域復興再生計画が内閣総理大臣の認定を受け、帰還環境整備の取り組みが進められておりますが、町内全域の避難指示解除に向けての具体的な取組方針はいまだ国から示されておりません。
関係省庁の大臣が来町される際には、中野地区復興産業拠点や特定帰還居住区域の先行除染地域を視察いただくことも多いですが、去る12月14日に石破茂内閣総理大臣が伊藤忠彦復興大臣とともに来町された際には、今後除染等の帰還環境整備を開始する帰還困難区域(石熊地区)を視察いただきました。国道288号からゲートを通り帰還困難区域に入域すると、旧特定復興再生拠点区域や特定帰還居住区域の先行除染地域と比べて道路の際まで生い茂った草木が目立ち、避難指示解除までの帰還環境整備に要する年月が懸念されます。私も伊澤町長とともに石破総理に町の状況を説明し、住民の意に沿った特定帰還居住区域の速やかな帰還環境整備を強くお願いいたしました。帰還困難区域の現状を石破総理に視察いただけたことは、帰還困難全域の避難指示解除に向けて大変意味のあることだと思います。当区域内の速やかな除染・解体・インフラ整備等と並行して、町内全域の避難指示解除に向けた取組方針を早急に明らかにするよう、今後も国に強く求めてまいります。
2025年の巳年は、これまでの努力が大きく実を結ぶ年になると言われております。議会といたしましても、本年も町民の皆さまの負託とご期待に添うべく、復興・ふるさと再生、新たなまちづくりに町執行部と連携を図りながら、議員一丸となって懸命に努力してまいりますので、一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
結びに、これまでの苦労がよい方向に向かいますように、今後も魅力ある復興まちづくり、そして町民の皆さまの生活支援等に全力を傾注し、議会としての責務を全うすることをお誓い申し上げますとともに、町民の皆さまお一人お一人が健康で、実りの多い年となりますよう心からご祈念申し上げ、新年のごあいさつといたします。

双葉町議会議長 伊藤 哲雄